ときめき会話 繁華街 柊夜ノ介

 

ライブハウス

「まさかここで和楽器の音色を聴けるなんて……嬉しい驚きでした。」

「三味線の人がカッコよかった!」

「『人』ですか……」

「えっ?」

「僕だって三味線は心得ています。あの方にだって、負けませんよ。」

「あの方って?」

「さっき、あなたが格好いいといった方です。」

「柊くん、どうしたの?」

「たぶん、嫉妬です。あなたが他の人を褒めることに、嫉妬しています。」

「ええ!?」

「我慢しようと考えましたが、無理でした。あなたへの気持ちが大きすぎて、隠すのも馬鹿らしいから。 はぁ。すっきりしたので、もうおしまい。」

(ええっ、柊くんが嫉妬? なんかすごいこと聞いちゃったよ……)

 

ボウリング場

ボウリング

「ボウリングは結構、馴染みがあるんだ。」

「そうなんだ、じゃあ教えてほしい!」

「残念ながら、経験はほとんどないんだ。」

「えぇと、ごめんなさい。」

「ふっ、あなたが謝ることはありません。僕の言い方がおかしかった。でも、馴染みがあるのは本当なんだ。まだ劇団で全国を回ってた頃、宿泊先でね。」

「そっか、ホテルとかにボウリング施設あるもんね。」

「そう、でも僕はやらせてもらえませんでした。こう見えて、小さい頃から看板役者だから。」

「そっか……」

「こらっ。その顔、わざとやってるな?」

「ふふっ、そんなこと。」

「そうそう、別に悲しい話でもない。みんなから大切にされて育っただけ。とは言え、こうやって好きな時に好きな人とボウリングできる今は、僕にとって人生最高の時間かもしれません。」

(柊くん、大げさだよ)

 

ダーツコーナー

「そろそろ、真剣勝負ですか?」

「柊くんには敵いません。」

「あれ?どうしたんですか?」

「…………」

「わかりました。ハンデを付けましょう。」

「ふふっ!うん、ありがとう。」

「ふぅー…… ああ、やりましたね?」

「ふふっ、じゃあ勝負だよ?」

「やった!」

「ハンデなんていりませんでしたね。」

「柊くんの教え方が上手いんだよ。ありがとう。」

「良い生徒に恵まれて嬉しいです。じゃ、2回戦目いきますよ。3回戦中、2勝した方が真の勝者です。」

「ええっ!? ずるい!」

(もう……柊くん、本当に負けず嫌いだよね)

 

ゲームセンター

「クレーンゲーム、あれなら僕にもできますよ。」

「取りやすい台見つけよう?」

「それじゃ、ダメですよ。あなたが欲しいものは?」

「え?」

「あなたの笑顔が僕の報酬ですから。たくさん喜んでもらわないとね。」

「えぇと……」

「ああ、僕のテクニックを疑っていますね?」

「ううん、わたしも柊くんが取って喜んでる顔が見られれば何でもいいんだよ?」

「 ! あなたも僕と同じ…… うん、こんなに嬉しいことはない。もう、クレーンゲームやらないでいいね。」

「ええ? せっかくだから、やってみて?」

「うーん…… 絶対取れる台、探してくる。」

(うれしいな……柊くんはいつもわたしを喜ばせようとしてくれる)

 

カラオケBOX

「フードメニューも人気みたいですよ? 何か食べる?」

カップル限定ラブラブメニュー?」

「ら、ラブラブ? ええ、構いません。僕たちが、その……『ラブラブカップル』という事ですね。」

「ラブラブカップル?」

「ええ、僕に異論はありません。」

「えぇと柊くん、『カップル限定ラブラブメニュー』だよ?」

「うっ…… ラブラブカップル限定でも、僕は一向に構いませんよ。」

(ふふっ、柊くんって、意外と頑固なところあるよね……)

 

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