ときめき会話 はばたき山 柊夜ノ介
はばたき山:スキー
「か、風が強いですね……」
「やっぱりリフトで下に降りよう。」
「あなたを帰りのリフトに乗せるなんて、そんな屈辱、耐えられない。
ふぅ、行きますよ。」
「えっ、大丈夫?」
「それっ!」
「あっ、柊くん!」
「うあぁぁぁー!」
︙
「◯◯さん、なんとか、帰ってきた。」
「ふふっ、うん。危なっかしかったけど、カッコよかったよ?」
「笑ったね?ま、僕も途中で面白くなって笑ったけど。奇跡的に転ばなかった。」
「うん、上手だったね。」
「あなたが信じてくれたら、僕は何でもできそうだな。」
(苦手な事もやり切る柊くんは、かっこいいな……)
動物園
動物園
「年配のご夫婦も、いらっしゃいますね。」
「昔ここで働いてたとか?」
「元従業員の方だとすると……退職されてからも、担当していた動物が気になって様子を見に来ている。なんて推理はどうですか?失礼ですかね。」
「ええ?」
「小さい頃、こんな感じでひとり遊びしてました。なかなか、同世代の友だちと遊ぶことができなかったので。」
「柊くん……」
「そんな悲しい話じゃないです。勝手に想像して、遊んでただけ。当時の僕が今の僕たちを見たら、どんな想像するんだろうな?」
「うん、どうだろう?」
「……どうでしょうね?」
(柊くん、今何か想像して笑ったよね……)
グッズショップ
「劇団はばたきにもこういったショップができたら喜ばれるかな……」
「夜ノ介Tシャツが欲しいな。」
「実は、全国を巡っているときは売ってたんです……それ。小さい頃は、なんで自分の顔が他人の服に?くらいの疑問でしたが……小学生くらいは辛かったですね。」
「そうだったんだ?ごめんなさい。全然知らずに……」
「あなたが謝る必要ないです。それに、そういったことも含めて、経営だから。今は市民劇団としてやらせてもらってます。もう、僕の顔が張りついたTシャツは不要ですよ?」
「 ………… そうだよね……」
「今、想像したでしょう?夜ノ介Tシャツ。」
「あ、ちょっとどんな感じかなって……」
「あなたって人は……いいですよ、お見せしても。」
「え? あるの?」
「そういうプリントサービス、沢山あるじゃないですか?あなたと二人のTシャツなら作ってもいいですよ。」
「えぇと、それ売らないよね?」
「誰が買うんですか?面白い人だ。 僕の宝物になるだけです。なら、いいでしょ?」
(二人のTシャツ?……恥ずかしいけど、面白いかも?)
わんにゃんハウス
「ここでは、コロコロが大活躍ですね。」
「抜け毛の季節は大変そうだね……」
「いえいえ、そこが楽しいんです。コロコロが通った後にはキレイなカーペットが現れる。」
「ふふっ、柊くんって、お掃除が好きなんだね?」
「どうでしょう。でも、目に見えて何かが片付くのは気持ちいいですね。世の中、頑張ったって片付かないことの方が多いです。」
「柊くん、学校も劇団もあって大変だもんね……」
「ええ、大変ですよっ。でも、力強い味方がいますから。あなたです。そうだな、僕にとってあなたはコロコロ。」
「コロコロ?」
「ええ、どんな問題もきれいに解決してくれそうです。」
(柊くんの力になりたいけど……コロコロ?)
はばたき城
天守閣
「演目で使わせていただいてますから、ここではいつも身の引き締まる思いです。」
「きっとお殿様は喜んでるよ!」
「はぁ……どうでしょう?舞台の演出で、史実とは違う解釈も多いです。腹を立ててらっしゃるのではないかな……」
「ううん、そんなことないと思う。舞台を見て初めて歴史に興味を持つ人も多いんだよ?」
「そうかもしれませんが……」
「このお城だって、観覧者が増えてるし。みんな、柊くんのおかげだよ。」
「そう言っていただけると、少しはお役に立てているように思えます。劇団はばたきの座長として、改めて歴代のご城主に御礼申し上げます。 ………… 」
???「己の道を迷わず進むが良い。」
「……あれ? 今のは……」
「今の?」
「あ、ううん。」
「ありがとう、あなたのおかげで、胸のつかえがとれた気がします。」
(さっきの不思議な声はもしかして……?)
展示コーナー
「はあ……歴史の重さに押しつぶされそうだ。」
「もう少し分かりやすい解説ほしいね。」
「そうですね。僕には難しいです。資料展示を楽しむことはできませんが、数百年前のお城を貸し切ってる気分にはなれます。」
「え?」
「ほら、いつも人がまばらですから。ここ。」
「そういえば、そうかも。」
「ええ、だからちょっと贅沢なセットで、お芝居でもしてみます?」
「ええ? お、お芝居?」
「『この腰刀は、わたしの分身。そなたを守り、導く光。魂は未来永劫、そなたと共に』。」
「ええ!? 劇団はばたきの舞台みたい。」
「違う。『未来永劫、わたくしの魂もあなたと、共に』ですよ。」
「ええっと……『未来永劫、わたくしの魂もあなたと、共に』。」
「本当に? 信じますよ?」
「ええっ? お芝居って……」
「ふふっ、よくできました。セリフでも あなたの口からその言葉を聞けて、今日は大満足です。」
(えぇと、なんか柊くんの作戦にはまったみたい……)
遊園地
ジェットコースター
ミニスカート追加コメント
「そのスカートで、これに乗る……と? 手は膝の上。わかりますね?でないと、めくれてしまいます。」
「ここから見ると、あの高さですよ……空に飛び出しそうだ。」
「そんなにジェットコースターが好き?」
「ふっ。」
「ん?どうしたの?」
「ごめん。昔にもそう言われたのを思い出しました。どこの街か忘れましたが、昔、両親に一度、遊園地に連れてきてもらいました。」
「素敵な思い出だね。」
「ええ、楽しかった。普通の子どもになったみたいで。でね、はしゃいじゃって、ジェットコースターに延々と乗って。」
「ふふっ、昔から好きなんだね。」
「ええ。何ででしょうね?でね、そんな僕が珍しかったんでしょう。母親も無理に付き合ってくれて、具合が悪くなってしまった。」
「お母さん、大変だったね。でも、うれしかったと思うな。」
「そうだと、いいけど。……あなたは?」
「うれしいよ。柊くんが楽しそうだから。」
「ありがとう。じゃあ、あと一回いい?そのあとはあなたにお供します。」
「ふふ、はい。」
(柊くん、小さい頃からお仕事で遊園地なんて行けなかったんだよね……)
観覧車
「『観覧車占い』だって……? 知ってます?」
「ピンク色がアタリ?」
「うーん、ピンクに乗れた二人は恋愛運向上か……もう一回、並んでみますか?」
「うん、いいよ。」
︙
「……ふぅ。」
「ふふっ、黄色だったね?」
「くじじゃないから、アタリハズレはないです。」
「黄色は金運みたいだね。劇団はばたきの公演が上手くいきそう?」
「うん、そうですね。ありがとう。」
「よかったね。」
「はい。でも……もう一度、チャレンジしてもいい?」
(柊くん、こんなに占い好きだったっけ……)
バンジージャンプ
「はー、口の中がカラカラです。」
「大きな声出てたよ?」
「あ、僕だけ楽しんでいた?」
「ううん、怖いけど楽しいよ。」
「二人で飛べたらいいのにな、これ?」
「えっ?」
「一緒なら、恐くないでしょ?」
「うん……でも、ラインが絡まって危ないかも?」
「太いラインが一本。ペアで楽しめるバンジー、どうです?運命共同体という感じです。リクエストしてみようかな。」
(本当に二人で飛んだら……ううん、やっぱり怖いな)
コーヒーカップ
「隣のカップと競ってたでしょう……回転数。」
「向こうのカップの人たち大丈夫かな……」
「あなたは平気?」
「うん。柊くんは?」
「でなければ、あなたのグルグルにやられています。」
「ごめんなさい。回しすぎたかな?」
「ま、あんなに楽しそうな顔をされたら、止められません。ただ、僕以外の人には止めた方がいい。」
「えっ?」
「その顔……あなたは正直な人ですね。ただ、あなたの全力コーヒーカップに付き合える人間は僕しかいないってこと。それだけは、厳然たる事実。」
「そうなのかな。」
「ですので、遊園地は僕とだけ来た方がいいよ?」
(えっ……遊園地は柊くんとだけ?)
お化け屋敷
黒いトップス追加コメント
「今日の服、暗闇に溶け込みますね。あなたの顔だけ浮いている。」
「ええ?」
「こんな可愛らしい幽霊なら、誰も怖がらないけど。」
「僕にプロデュースさせていただきたいな。」
「柊くんじゃ、お化けがキレイすぎ。」
「ありがとう。でも、美しさと恐怖はそれほど遠くはありません。
だから……完璧な美は恐ろしい……」
「えぇと……柊くん?」
「……ビックリしました?」
「もう、少し怖かったよ。」
「すみません。でも、僕が言ったことは本当ですよ。」
「完璧な美は恐ろしい?」
「……ええ。ですから、僕にとってはこのお化け屋敷より、あなたの方がずっと怖い。」
「ええ?」
「うーん、でもあなたには、面白さと可愛らしさが混ざってるから、やはり怖くはないかな。」
(えぇと、面白さはいらないよ……)
ナイトパレード
「遊園地は、昼も夜もどうしてこんなに楽しいのかな?」
「今日はオールナイトで!」
「……ありがとう。あと、ごめん。」
「え?」
「あなたは優しいから、僕の変なテンションに付き合ってくれます。でも、僕は、あなたに夜遊びなんてさせたくない。」
「あ、えぇと…… わたしこそ、調子に乗ってごめんなさい……」
「……………
……ふふっ。
こんな、シチュエーションで二人で謝ってるの、おかしいですね。」
「ふふっ。うん。」
「ほら、あそこでマグロも笑ってる。さ、早く帰ろう!」
(柊くん、いつもわたしのこと考えてくれてありがとう……)
牧場
牧場
「牛、馬、羊……どの動物と遊びます?」
「絞りたて牛乳を飲もう!」
「僕は温い牛乳が苦手なので、あなたが飲む係で。」
「ええ? そんな係困るよ。じゃ、他のことしよう?」
「いえ、搾乳には興味があります。」
「たしかに、面白そうかも……」
「ええ、なんだかリズムが大事だとか。『いち、に、ぎゅーー』らしいですよ?」
︙
「いち、に、ぎゅーー!」
「いち、に、ぎゅーー!」
「いち、に、ぎゅーー!」
︙
「遅くなってしまいましたね?」
「うん、でも楽しかった。柊くんは?」
「あなたのおかげで、楽しく美味しい体験ができた。なんでも、試してみるもんだなぁ。二回もやったの、僕たちだけですよ?」
「うん。おかげで、ちょっと上手になったかも、乳しぼり。」
「御影先生に言ったら驚くかな…… ……ん?やっぱり言いません。他の人に教えてあげるのがもったいない。」
「ふふっ、そうだね。」
「あなたとなら、何だって素敵な経験になる。それが今日よくわかった。そして、あなたは僕を簡単に変えてしまう。楽しくて、可愛くて、ちょっと恐い人だってこともね。」
「ええ? 恐い?」
「だって、味覚すらも変えられた……温くても、牛乳って美味しいんですね。」
(うん、楽しかったな。これからも、柊くんと一緒に色んな事ができたらいいな……)
キャンプ場
「ハンモックでユラユラしませんか。」
「もう疲れちゃった?」
「いいえ―― 正直言うとちょっと寝不足です。」
「え? 大丈夫?」
「ええ、心配するほどではありません。でも、あなたには全て本当のことを言いたい。そんな気持ちです。迷惑かな?」
「ううん、何でも言って。」
「ありがとう。……じゃあ、お言葉に甘えて。ハンモックのレンタルしてきます。」
「ふふっ、うん。ゆっくりしよう。」
「ええ、二人用を借りてきますね。」
「え……ええっ!?」
(二人用のハンモック……!?)