学食会話 本多行・七ツ森実
日直のさだめ
「リョウくん、可哀そうだったね……」
「仕方ない。日直のさだめだし。」
「たまに、お昼休みに仕事頼まれる事あるもんね……」
「だいぶ後ろ髪引かれてたな。あの顔は。」
「でも、三人でランチ行って来いって言ってくれたよね。リョウくん、優しい。」
「ふふ。」
「ま、あとでグチを聞かされるんだ。俺たちも覚悟しとかないと。」
「そだね!ばーっと言いたいこと言ったあとのリョウくんはご機嫌になるしね!」
「たしかに……」
「カワイイとこあるんだよ、あいつもさ。」
「うん、カワイイ!」
(本多くんと七ツ森くんにカワイイって言われているなんて、想像もしてないんだろうな……)
携帯に無反応
「ところで、風真くんと連絡とれた?」
「いや、全く。電話もメールも無反応。」
「どうしたんだろ。」
「あ…… まさかあいつ、携帯家に忘れてんじゃ?」
「それ、あり得る。」
「昼休みの今、家に取りに帰ってるとか。家、そこそこ近いんだろ?」
「え?あ、うん。そうだけど……」
「それだな。だったら、探したっていないし音信不通にもなるわ。」
「へぇ。家が近いと、便利?……なのかな?」
(たしかに便利だけど、忘れ物したときはショックが大きいんだよね……風真くん、今頃悔しがってると思うなぁ)
ラブラブ幼なじみ
「うーん、いい匂い!」
「…………」
「あれ? 七ツ森くん、どうしたの?」
「そりゃこっちのセリフ。あんた、これでイイの?」
「え?」
「ん?」
「カザマ置いといて俺たちとランチしてて大丈夫なのかよ。」
「ミーくん、それは野暮な質問だよ。」
「?」
「大丈夫。二人はラブラブ幼馴染だもんね!」
「もうっ……本多くん!」
「今さらテレなくてもいいじゃん。いいな、うらやましいなー。」
「……たしかに余計なお世話っぽいな。悪かった。」
(みんな、風真くんとわたしのこと気にかけてくれてるの……?)
ふたりきりだと違う?
「◯◯ちゃん。リョウくんいないとこでこんなこと聞くの、ずるいかもしれないけどさ。」
「ん?」
「リョウくん、君と二人きりのときはいつもと違ったりするの?」
「えっ!?」
「ダーホンらしくない質問だな。ま、俺も興味あるわ、ソレ。」
「でしょ?恋は盲目っていうし、リョウくん最近あからさまに君のこと意識してるし。」
「それは……」
「それは?」
「ダメ。言えません。」
「えー! 超聞きたい! 最近オレ、人の心理状態に興味あってさ。恋愛中の心境変化とか知りたいんだ。」
「なんだ。ダーホンらしいわ、やっぱ。」
「ふふ。」
「ダメ?教えられない?」
「ねえ、風真くんに聞いてみたらどうかな?」
「もちろん本人から聞くのが一番だけど。じゃあ、がんばってみよっかなー。」
「……◯◯。ダーホンかわすの、上手くなったな。」
(風真くんのこと…… 二人きりのときは少し優しいかも。でも、言っちゃダメだよね……?)
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