学食会話 柊夜ノ介・氷室一紀

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少しカリカ

「なんか今日は静かだね?」

「僕と夜ノ介先輩がうるさかったことある?」

「……あ、今日は御影先生がいないからか。」

「だから?」

「イノリ君、不機嫌ですね?」

「いつもより、少しカリカリしてる?」

「ふふ、カリカリしているところがベースなんですね。」

「はぁ……今日は小次郎先生に話したいことがあったってだけ。」

「そうだったんだ。何の話?」

「君じゃなくて、小次郎先生にって言ったんだけど。」

「あ、こちらです!」

「え?」

「御影先生です。お仕事終わったみたいだ。」

「よかった。お話しできるね?」

「やっぱり今日はいい。あと、さっきまでの話も無しです。」

「え? なんで……」

「そうなの?」

「『おお、俺が恋しかったのか、イノリ』とか、言われるでしょ。だから今日はいい。」

「ふふ、わかりました。よし、これでにぎやかになりますね?」

(二人とも、御影先生が来たら急に元気になったみたい?)

 

先生は人気者

「小次郎先生は、むこうの席で男子生徒たちとランチ食べてます。」

「うちのクラスの男子かな?」

「御影先生はどうして僕とイノリ君とランチをしたり、出かけてくれたりするんでしょう。」

「それ、いつも考えてるけどわからないです。最初は君がいるから?と思ったけど。」

「え、わたし?」

「君の担任だし。」

「でも、あなたがいない時も、一緒にいてくれます…… ……こうやって、他の生徒と楽しくしてる御影先生を見ると、複雑な気持ちですね。」

「……小次郎先生には言えないけど。」

「え?」

「何か言ったら、今のバランスが崩れそうで怖いです。」

「夜ノ介先輩と君と僕、それと御影先生。バラバラの4人が、もっとバラバラになったら……」

「そんな……」

「今の素敵な関係を大事にしたいです。なので、こんな日も受け入れます。」

「あ、小次郎先生がこっち見てる。二人とも、知らんぷりして!」

「はい!」

(し、知らんぷりする必要はないような……?)

 

ひとり占めはできない

「小次郎先生、屋上で女子生徒とランチだって?」

「うん、そうみたいだね。」

「さすがですね。」

「え?」

「君と小次郎先生が仲良いのは、僕と夜ノ介先輩が一番知ってる。他の生徒は知らないけど。」

「御影先生はみんなから人気あるから。ひとり占めはできないよ……」

「ふぅん……大人だね。もっとわがまま言ってみれば?」

「御影先生なら、受け止めてくれますよ。」

「それに、困った様子の小次郎先生も見てみたい。」

「もう。困らせたらだめだよ?」

「あ、すみません。御影先生を困らせるつもりはありません。」

「ちょっと興味があっただけ。」

(御影先生はみんなに人気だから仕方ないもんね……でも、少しさみしいかも?)

 

先生は大忙し

「御影先生、今日も忙しそうでした。」

「夜ノ介先輩が言うなら、よっぽどですね。」

「そうだね。クラス担任と、園芸部と陸上部の顧問もやってるから。」

「三役ですか……」

「夜ノ介先輩だって、劇団と生徒会と勉強。三役です。」

「あ、御影先生はもう一役あります。」

「なるほど。君担当か。」

「えっ、わたし?」

「最近、君と小次郎先生、二人の時間、増えたよね?」

「えぇと……」

「安心してください。いつも一緒にいる僕たちしか気づかないと思いますよ。」

「そういうこと。だからちゃんと色々報告してよ。」

「僕たちは友だちですからね。」

「ふふっ。うん、ありがとう。」

(柊くんと氷室くん、御影先生とわたしのこと、気にしてくれてるんだな)

 

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