学食会話 風真玲太・本多行・七ツ森実

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昔から早食い

「七ツ森、おまえ食べるの遅いよな。」

「ああ……メシの早食いは良くないって子どもの頃に言われてたから。」

「そそ。食事はね、そしゃくを30回以上するとダイエットにもなるよ。」

(ダイエット……)

「いま、眼光キラリした人がいる。」

「え、誰?」

「ひとりしかいないだろ。ここから見えるのは。」

(バレた……)

「そっかー!ダイエットに興味あるなら、オレが君専用のプログラムを――

「はい、ダイエット講義で楽しいランチタイムをなくしたくない人ー。」

「ハーイ。」

「…………」

「ほら、聞きたいって。」

「◯◯。おまえは今のままがいい。な?」

「俺もそう思う。それに、ダーホンを暴走させたくないだろ……」

(あ……そういうことね……)

 

ラーメン談義

「そそ。だからラーメンて本当に奥深いんだよね。」

「よーく、わかった。 だから、本多にラーメンは危険なんだ……」

「ふふ。本多くんのラーメン談義、面白かったよ?」

「スゴイことはよくわかった。……けど、ラーメンは食わない。」

「なんで?どして?そこまで嫌いな理由を教えてよ。」

「それは俺も知りたい。なんでそこまで嫌うんだ?」

「べつに。ラーメンが嫌いなわけじゃない。実家にいるときは食べてたし。」

「それじゃ、他に理由があるの?」

「すすると……」

「すすると?」

「汁が飛び散る。」

「……はい?」

「ていうか、上手くすすれない。……悪いか。」

「なんか、可愛いとこあるじゃん。」

「……やっぱりラーメン食わない。人前じゃ、絶対に。」

「ミーくんにラーメンの上手なすすり方教えてあげるからさ。次回はラーメンで決定ね!」

「ノーサンキュー。」

(たしかに……ラーメンを上手に食べるのって難しいこともあるよね)

 

取ってもらうのが自然

「◯◯、塩とって。」

「あ、はい。どうぞ。」

「サンキュ。」

「自分でも届くじゃん。」

「そだね。」

「まあまあ。」

「いいんだよ。俺たちはこれが自然。」

「意味ありげな言い方ー。」

「そっか。リョウくんたちは幼なじみだもんね。」

「まあな。幼稚園の遠足とかお弁当の時間とか、よく一緒に食べた。」

「いいなー。オレも幼なじみだったらよかったな。」

「……心なしか、カザマがドヤ顔してる気がする。」

「べつに。してませんが、何か?」

(わたしはあんまり覚えてないけど……言わないほうが良さそう)

 

体育のあとは腹ペコ

「あー、やっとランチタイムだ。」

「午前中は体育があったからお腹空いちゃったね?」

「ああ。4時間目の体育はキツイよ。」

「オレのクラスも教室の移動ばかりだったからもうお腹ペコペコ。ミーくんは?」

「べつに。」

「ミーくん、身体が大きいのにお腹空かないんだ。」

「カラダの大きさは関係ないと思う。」

「ほら、ほら、早く食べようぜ。」

「あっ、リョウくんのソレ! 1コちょうだい!」

「なんでだよ。」

「あ、ダーホンのソレ、1コくれ。」

「これ?じゃあ、ミーくんのそれと交換しよ。」

「ダメ。これは譲れない。」

「えー! じゃあ、交渉は決裂。」

「二人とも、さっさと食べろって。」

「……ダーホンのせいで怒られた。」

「……ミーくんのせい。」

「ハァ……」

(ふふ! なんだか家族みたい!)

 

調理実習のあと

「うーん、ランチおいしい!」

「そういえばおまえ、今日家庭科あったよな。」

「うん。」

「調理実習じゃなかったっけ?」

「そうだよ。パウンドケーキ作ったの。」

「!」

「それなのに美味そうによく食べること……」

「それとこれとは別だもん。」

「……なあ、残ってないの?パウンドケーキ。」

「じつは……みんなの分も、作っておきました!」

「やったー!! よかったね、みんな!」

「神すぎる……」

「材料、足りたのかよ。」

「みんなの分も計算してちょっと多めに持ってきたから。」

「ふぅん…… それ、いつ食えんの?」

「うんうん、いつ?」

「今でも食えるぞ。」

(みんな、目が本気だ……食後にしようと思ってたけど、今出したほうがよさそうかな?)

 

風真くんとラブラブ

「これ美味い……」

「え、どれ?」

「ああ、これだけどさ……」

「…………」

「ラブラブ。」

「はあ?」

「聞こえなかった?ラブラブ。」

「アツアツ!」

「うるさい、さっさと食べろよ。」

「うん、大人しく観察してます。」

「じゃ、そうしましょ。」

「見るな。たく…… おまえは気にすんなよ?」

「ええと…… う、うん。」

「どうぞどうぞ。こちらにはお構いなく。」

「楽しいランチタイムだね♪」

「ああ、楽しいよ。な?」

(気にするなって言われても……無理だよ……)

 

学食で座るところ

「次はさ、座るところ変えたら?」

「?」

「なんでだよ?」

「リョウくんはそっちの席に行ったほうがいいと思って。」

「そっちって、わたしの隣のこと?」

「そそ。案外、カップルって向き合わずに隣同士で座ることが多いらしいよ。」

「……余計なお世話。言われなくても、そうしたければするよ。な?」

「う、うん…………」

「あらら。テレてますね。」

「幼馴染カップルかー。いい響き!」

「響きも何も、単なる事実だけど。なぁ?」

(う……幼なじみは事実だけど、
 ……やっぱり恥ずかしいな)

 

口元に何かついてる

「今日もごはんが美味しいね!」

「うん!」

「なんだか、食べてる気がしない。」

「カザマ。ジェラシー丸見え。」

「うるさい。」

「◯◯ちゃん、口元に何かついてる。ほら、取ってあげるよ。」

「えっ、どこ?」

「これは……なかなかですな。」

「無になれ。俺たちは空気だ。」

「カザマ……俺もつき合うぞ。」

「ねね。二人で内緒話なんてずるいよ。オレにも教えて。」

「ずるい?おまえのずるさには負けるよ。」

「ダーホン、これがジェラシーだ。」

「どして?誰にジェラシーしてんの?」

「もう、いいよ。」

(風真くん、本多くんにジェラシーを感じてるの……?)

 

ヤキモチ妬くくらいに

「ダーホン。単刀直入に聞くけどさ。」

「なになに?」

「おい……」

「カザマ。おまえだって知りたいだろ?」

「?」

「どぞっ。なんでも聞いてよ。」

「その……なんだ。二人とも、イイ感じなトコまで行ってるわけ?」

「七ツ森、俺はやっぱり聞きたくない。」

「二人……? ああ、オレたちのこと?」

「 !! 」

「あ、ああ。」

「オレたちの関係か。そだね……」

「ねえ、本多くん……」

「すっ……ごく仲がいいんだ!君たちがヤキモチ妬いちゃうくらいにさ!」

「水でもぶっかけたくなるな。」

「カザマ、耐えろ。ダーホンてこういうヤツだったわ……」

「ははっ!二人ともヤキモチ妬いちゃった?」

(風真くんと七ツ森くん、わたしたちのことを気にしてる……?)

 

直球の質問

「でさ、ミーくんたちはつき合ってるの?」

「 !? 何を突然――

「びっくりした……」

「……本多、直球すぎ。」

「そう? でも、聞いてみたくてさ。どなの?」

「や……べつに、そういうのじゃ……」

「つき合ってないけどラブラブなの?」

「カンベンして……」

「もういいじゃん。この話。」

「あ、ああ。 そうだな、おしまい。 な、◯◯。」

「あ……うん。」

「そこで二人の世界に入んな。おしまいって言ったろ。」

「おしまいにしたいの、リョウくんだけじゃない?」

「うるさいよ。はやく食べろって。」

(もう…… ドキドキしちゃった……)

 

最高だった歌番組

「ねえ、昨日、テレビ観た?」

「あ、あれだろ。アーティストとコラボした歌番組。すげー良かったよな。」

「衣装もカッコよかったね!」

「お、目の付け所がイイね。 ……なんだ、二人とも静かだな。観てないの?」

「観てない。」

「ごめんね、オレも観てない。水槽の魚の入れ替えしててさ。」

「そっか。そりゃザンネン。」

「べつに。残念でもない。」

「なにスネてんだよ。」

「リョウくん、本当は観たかったんだ?」

「なんでそうなんだよ。本多はこっち側だろ?」

「ジェラシーか。メンドクサイやつだなー。」

「ああ、自覚してるよ。」

「開き直ったか。やれやれ。」

「じゃ、楽しいランチタイムの再開だね♪」

(本当は風真くんも観たかったのかな。でも、ジェラシーって……?)

 

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