学食会話 柊夜ノ介・御影小次郎

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好きorカワイイ

「イノリは何してるんだっけ?」

「学年集会の準備って言ってました。」

「そっか。上手くやってるかな?」

「お腹空いてないですかね。」

「ふふっ。二人とも氷室くんが好きなんですね?」

「ん?今のあなたの発言、イノリ君には聞かせられませんね。」

「ああ。まるで自分はどうも思ってないって言い方だったな。」

「ええ?そんなことないですけど。」

「ちょうどいい機会です。あなたはイノリ君のこと、どう思っているのでしょうか?」

「おお、切り込んだな。」

「え?」

「好きとかカワイイとか、憎らしいとか?」

「うーん……カワイイところもあるし、ちょっと憎らしいときもあるかも……」

「で、好き?」

「もちろん好きだよ。」

「……そうですよね。僕もイノリ君が好きです。」

「はははっ、俺もみんな好きだぜ?◯◯、夜ノ介、イノリ……真面目で面白いヤツらって思ってる。」

「真面目は、そうありたいと思っていますが……面白い?そこはわかりません。」

「うん。わたしもわかりません。」

「はははっ。ほら、言ったそばから面白ぇ。」

(御影先生は、わたしたちを面白いって思ってるんだな……)

 

転校する生徒

「イノリ君、クラスで何か催しがあるとか言ってましたね。」

「転校する生徒がいるらしい。お別れランチ会だってさ。」

「転校か……寂しいんだろうな。」

「僕は小学校の頃から転校を繰り返してたので、その辺の感覚、少し麻痺してました。」

「そっか……」

「でも今、はば学から転校となったら、これまでとは全く違います。」

「夜ノ介がそう思ってくれてるなら、嬉しいよなぁ。」

「はい。」

「こんなに長く、同じ学校に通ったのは初めてですし、昔は一ヶ月で転校なんて、ざらでした。」

「おい、期間の話かよ?」

「あ、いえ。皆さんの存在です。こんな学校生活、初めてですから。」

「柊くん……」

「だから怖いです。もし、昔みたいに急にはば学を去ることになったらと考えると。」

「大丈夫だ。おまえは卒業まで、はば学にいられる。卒業できなきゃ、何年でもいられるぞ?」

「ああ、はい。そうでした。勉強頑張らないと、今はそっちの問題でした。」

(ふふっ。柊くん、一緒にがんばろうね!)

 

盛り上げ役不在

「氷室くん、今日は少し遅れてくるみたいです。」

「寂しいですか?」

「え?」

「僕には何もできない。あなたの寂しそうな顔を見ると無力感を感じます。」

「ああ、『僕がいないと、会話もまともにできないとは……』とか、言われそうだな。」

「はい。」

「ふふ、言いそうですね。」

「だろ?」

「イノリ君はいつもそうやって、盛り上げてくれます。」

「えぇと……思ったことを、言ってるだけのような……?」

「あなたに、そう思わせるところが、またすごい。」

「そうやって、いないところでもイノリの話しているくらいだからな。
 おお、来た。噂をすれば、だ。」

「第一声は……『なにしんみりしてるんですか?』とかでしょうか?」

「夜ノ介、いいセンだ。」

(ふふっ。本当に氷室くんが言ったら、笑っちゃうかも?)

 

しっかり報告

「イノリ、忙しそうだな?」

「日直で、先生のお手伝いだって言ってました。」

「お、しっかり把握してんだな。」

「イノリ君、あなたにそういう報告をするんですか?」

「うん、報告じゃないけど……教えてくれたりするよ。」

「その辺はきっちりしてるんですね。」

「意外かもな?もっと自由にやってるイメージだった。」

「あなたが、上手く管理しているんです。」

「そうか、金のわらじだな?」

「かねのわらじ?」

「年上女房は金のわらじを履いてでも探せ。イノリ君にとっては、です。」

「ええ? 女房?」

「そんなに驚くことですか?最近、お二人が仲いいのは、みんな知ってます。」

「イノリが楽しそうにしているのは、そういうこと。いいじゃねぇか。」

(うう……ちょっと恥ずかしいかも?)

 

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