お見舞い 七ツ森実

(ふぅ……この調子なら学校、行けそうだな……)

(ノック)

「……お母さん?」

「お母さんには挨拶済みっす。」

「七ツ森くん !? どうして……」

「どうして、はねーだろ。お見舞いに決まってる。」

「あ、うん……」

「喉に気持ちいいアイススイーツ、おばさんに渡しといたから。あとで食って。」

「七ツ森くん、ありがとう。」

「……よかった。顔色もイイみたいだし。声もちゃんと出てる。…………あんたが学校にいないとさ、世界中の音が無くなったみたいに静かに感じる。あんたの存在が、俺ん中でスゲェでかいんだって改めて感じた。」

「七ツ森くん……」

「◯◯。来週、来られそうか?」

「うん。もう大丈夫だから。心配してくれてありがとう。」

「うん。そろそろ帰る。まだ無茶はするなよ?」

「うん。」

「よし。来週、ガッコで待ってる。元気な声、聞かせてくれよ。おやすみ。」

(七ツ森くんに心配かけちゃった。早く元気にならなきゃ……!)