グループデート会話 森林公園 風真・颯砂・氷室

 

公園通り:ショッピング

女性客A「すごい、風真君に会えた!」

女性客B「今日はシフト入ってないって聞いたのに。」

「今日はプライベートで買い物に来たんです。それでは。」

女性客A「ええ~、行っちゃうの?」

「風真くん……すごい人気だね。」

「バイトしてる店にあまり近づきたくないって言ってたのはこれですか……」

「イノリ、オレたちが救出してやろう。」

「ですね。連れ回した責任もあります。君はちょっと待ってて。」

 

「玲太。」

「すみません、リョータ先輩!」

女性客A「『リョータ先輩』だって。なんかカワイイ。」

女性客B「うん、赤い眼鏡もおしゃれだし。」

「……え?」

「待たせちゃってごめん。」

「ううん。」

「悪い。颯砂とイノリに助けてもらったけど……後半は、ほぼイノリが捕まってたよな?」

「ええ。ちょっと訳がわかりません。」

「玲太と人気を分け合うとか、シモンのカリスマ店員2号じゃん。」

「なにそれ……やめてください。」

「風真くんと氷室くんが一緒に働いたら、すごいことになるかも?」

「オレも働かせてくれたっていいじゃん?」

「ふふっ、そっか。じゃあ、三人で。」

「じゃあってなんだよ、きみまでさ。ほら、カリスマ1号、2号、行くぞ。」

「妙な呼び方するな。」

「こんなことでスネないでくださいよ。」

(ふふっ!やっとみんなでお買い物できそうだな)

 

公園通り:ショッピング2

「へー。あそこ、新しい店ができるみたいだな。」

「本当だ、工事中か。何の店かな……?きみには情報入ってる?」

「ううん。何のお店だろうね?」

「場所を考えると飲食店っぽいですね。」

「それなら蕎麦屋がいい。」

「オレはサウナ。」

「飲食店っぽいって言ってんだろ。」

「別に希望するのは勝手だろ?」

「なら僕は、楽器店かサーフショップ。……君は?」

「うーん……おいしい食べ歩きグルメのお店とかは?」

「出たな、食いしん坊。」

「いいじゃん!オレもサウナからそっちに乗り換える。」

「ですね。僕もサーターアンダギーとかがいい。」

「『とか』って、それ決め打ちだろ。」

「は? いいでしょ。サウナから乗り換えた人には何も言われたくないですよ。」

「待て待て。看板に何か書いてあるんじゃないか?」

「お、見に行こう!」

「僕も行きます。」

「ほら、おまえも一緒に。」

「うん。」

「なんだ、人の名前しか書いてないよ。」

「まあ、楽しみが先にあるってことでさ。」

「ですね。ただ、サウナではなさそう。」

(ふふっ、オープンが楽しみだね!)

 

森林公園(風真)

「うーん、気持ちいいね……」

「だろ?ここはいつ来ても落ち着く。」

「ぐるっと池の周り、走るか?」

「僕はここで待ってます。」

「ふふっ。わたしも走る恰好はしてないよ?」

「じゃあ……手漕ぎボートにでものるか?」

「おお、いいな?」

「かまいませんけど?でも、ボートはだいたい二人乗りですよ。」

「ああ、ジャンケン勝負だ。」

「えっ? 勝負?」

「君は不正が無いように、見てて。」

「一番、ズルい手使いそうなやつが言うな。」

「頭を使うことと、ズルは違いますよ。」

「ジャンケンでどう頭使うんだよ! ……行くぞ?」

全員「最初はグー、ジャンケン――ポンッ!」

「はあ……今日は一日、ボート乗ってたな。」

「ですね。でも、賢明だったと思います。」

「ふふっ、うん。たくさん乗れて楽しかったね!」

「まあな。おまえと1回、男同士で2回。マイナスが多い気がするけどさ。」

「玲太とイノリのラブラブボート、写真撮っておけばよかった。」

「それを言うなら、リョータ先輩とノゾム先輩のスワンボートでしょう。あんな猛スピードで進むスワン、見たことない……」

「いい運動になったよ。」

「こっちは汗だくだ。」

(ふふっ!なんだかんだ言って、みんな仲良しでうれしいな)

 

森林公園(風真)2

「ホタルの住処は、いつ来ても良いね……」

「真ん中の東屋、行ってみるか?」

「いいですよ。……けど、あの噂が本当だったら、面白いことになりますね?」

「心の声が聞こえるってか?へぇ、意外。イノリって、そういうの馬鹿にしてそうじゃん。」

「裏の声が多いタイプだからな、イノリは。」

「何それ。」

「まあな。でも、裏側の声を普通に発するタイプでもあるぜ。」

「ふん、いいでしょ?正直で。」

「ふふ、そうだね?」

「君もノゾム先輩も単純そうだし? 面白そうなのは……ひとりだけってことですね?」

「……俺だって、別に。」

「別に、なんだ? ……ま、行こうぜ?心の声聞きにさ。」

「ですね。」

 

「……あれ?風真くん、行かないの?」

「この流れじゃ、聞こえても聞こえなくても俺をいじってくる。」

「そ、そうかな?」

「この局面が多いんだよな。……ったく、俺、いじられキャラじゃないんだけど。」

(風真くんは、みんなに愛されてるんじゃないかな?)

 

森林公園(颯砂)

「ここはパワースポットだからさ、オレたちも泉からパワーもらおうよ。」

「おまえ、それ以上パワーもらってどうすんだよ。」

「まだまだ足りないよ。」

「へぇ……意外ですね。ノゾム先輩は、神頼みはしない派かと。」

「うん、そういう印象あるかも?」

「……まあな。」

「そんなことないって。陸上には、計画的にトレーニングで伸ばすべき部分の他に、もっと別の、運が必要なとこもあるんだよ。」

「いいな。そういう話、聞かせてくれよ。俺たちの前で陸上のこと語るの珍しいし。」

「うん、わたしも聞きたいな。」

「別にかまわないよ。じゃ、質問して?何でも答えるよ。」

「短距離と長距離は、どちらが好きですか?」

(ふふっ、インタビューが始まっちゃった)

「ノゾム先輩のトレーニング理論、サーフィンにも応用できそうだ。ありがとうございます。」

「恵まれた体と頭を持ってるんだ。おまえの夢は叶うよ。」

「ええ、応援してます。」

「うん、わたしも。ふふっ、なんだか颯砂くんの壮行会みたいになっちゃったね?」

「ありがとう。じゃあ、喫茶店で二次会やろうぜ?」

(颯砂くんはあまり陸上の話はしないけど、ちゃんとみんな気にしてるんだな……三人が仲良くて、うれしいな)

 

森林公園(颯砂)2

「『ホタルの住処』って名前は、一般公募で決まったんだろ?」

「うん。公園事務所とはばチャ編集部で募集したんだよ。」

「まあ、そのままですけどね。」

「わかりやすくていいじゃん。じゃあイノリなら、どういう名前にするんだ?」

「え、いきなりですか?」

「ははっ、今のは自爆っていうんだ。」

「イノリの次は玲太な。」

「げっ。なんでだよ?」

「ふふっ、楽しみ。最後は颯砂くんだね?」

「いいよ。きみはジャッジな。」

「……『エンジェルロード』。」

「ぷっ。急に来たな。」

「ふん。ほら、リョータ先輩の番。」

「『真実の泉』。」

「……それ、斧落とすやつですか?」

「うるさい。」

「ふふっ、どっちもいいと思うよ。颯砂くんは?」

「『ホタル・ファイナル』!」

「あはは、いいね!颯砂くんらしい。」

「だよな、いいだろ?ホタルたちの決勝戦!」

「……ったく、勢いに押されたな。」

「なるほど……勢いが大事、と。勉強になります。」

「そういうこと。で、きみは?」

「え?」

「期待してますよ。」

「ちゃんと落とせよ?」

(ええっ!?)

 

森林公園(氷室)

「イノリ、ここ好きなのか……俺もなんだ。」

「ええ、特に秋は気に入ってます。リョータ先輩はどの季節?」

「俺はオールシーズン。」

「へー、珍しいじゃん。玲太がこだわりを見せないなんて。」

「俺が普段注文が多いみたいな言い方すんなよ。」

「ふふっ。」

リョータ先輩、今、完全に肯定されましたよ。」

「おまえ、どういうことだよ。……ったく。俺はここの四季がみんな気に入ってる。イノリは、なんで秋が好きなんだ?」

「水面に映った紅葉とか、定番だけどキレイですし。」

「オレも春と秋。花と紅葉の季節は特にいいよ、ここ。」

「うん、そうだね。あと、ホタルの季節も。」

「そっか、夏も外せないな……」

「ここは冬もいい。湧水の温度が高いから、空気が冷えると靄が出て、雲海みたいになるんだ。」

「それ、すごいですね。」

「でも早朝じゃ、ここは入れないよ。」

「ああ、おじいちゃんと前に来たことがあるんだ。イノリ、今度機会があったら声かけるよ。」

「ありがとうございます。」

「玲太、みんなで行こうぜ?」

「ごめん、そうだな。俺たち全員ここが好きってことか。」

「たまには意見が合いますね。」

「だな。」

(ふふ!みんなの好みが似てるってすてきだな)

 

温水プール

「まずは、あのウォータースライダーから乗ろう。」

「うん!」

「いいですね。」

「いいよ、行こう。」

「ふぅ、すごく楽しかったー!」

「ははっ、いい着水だったな!」

「ええ、見てたの?」

(バシャン!)

「ええ!? すごい音!」

「おーい、二人とも大丈夫か?」

「イノリが後ろから接近してきて、ギリギリだったよ。」

リョータ先輩が遅いんですよ。」

「だからって、ウォータースライダーであおるな。」

「じゃあ今度は、順番変えようか?」

「僕はリョータ先輩の後ろ以外で。」

「……ったく、なんだよイノリ。」

「オレはやっぱり先頭がいいけど、変えないとダメなのか……じゃあ、きみが先頭。2番目が玲太。次がオレで、アンカーがイノリ。これでどうだ?」

「ふふっ、なんかリレーチームみたい。」

「颯砂、いいか。これは鬼ごっこじゃないんだ。追いかけてくるなよ?」

「わかってるよ。何で追いかけるんだって。ほら、行こうぜ!!」

「なんか信用できねぇんだよな……」

(風真くん、颯砂くんに追いかけられるのがすごく嫌みたい?)

 

温水プール

「なあ、競争しないか?」

「しない。颯砂、水の中でもそれかよ。」

「僕はかまいませんよ。水中なら、勝負になるかもしれない。」

「でも、競争なんてしたら周りの人に迷惑だよ?」

「そっか。じゃあ、潜水時間で勝負。それでどうだ?」

「それなら……大丈夫かな。でもみんな、気をつけてね?」

「ああ、わかった。じゃあ決まりだ、な?」

「かまいません。」

「いいよ。」

「じゃあ、きみはそこで審判頼む。」

 

「それじゃあ、行くよ?用意、スタート!」

(……? いくらなんでも長いよね……)

「みんな!大丈夫――

「ハァハァ……オレが、1位?」

「ハァハァ……い、いや、俺だろ?」

「ハァハァ……ぼ、僕ですよ。」

(見事に同時だったよ……)

 

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