グループデート会話 森林公園 風真・本多・七ツ森

 

公園通り:ショッピング

「あ……そのウィンドウにあるトップス。あんたに似合いそう。」

「わあ、オシャレだね!……お値段がすごいけど。」

「マジかよ。そんなにすんの?」

「ホントだ! 妹もよく言ってるけど、女子の服は高いんだねぇ。」

「ま、この店はティーン向けだけどハイブランドなほうだから。」

「そうだね……」

「リョウくん見て!同じショーケースにある靴の値段。」

「高っ!すごい値段……」

「うん、今人気だからね。」

「そう、需要があるから価値が上がる。ただそれだけ。じゃ、次はお財布に優しい、ファストファッションのショップ見てみる?」

「うん!」

(わたしばかり楽しんじゃっていいのかな?)

 

公園通り:ショッピング2

「なんだ、結局買わなかったのか。」

「うん。ちょっと、着こなせるか自信がなくて……」

「そ?俺は似合うと思ったんだけどな。」

「七ツ森くんがそう言ってくれるのはうれしいんだけど……わたしには少し大人っぽすぎるかなって。」

「かなり胸元の露出度が高い服だったよね?オレでもドキドキしたくらいだし。」

「やめて正解だ。」

「お父さんみたいなこと言うなよ、カザマ。つーか、ダーホンは学校じゃ制服の着こなし “あんな” だろ……」

「あれも露出度っていうのか?よく指導されないよな。」

「ふふ、たしかに!」

「もともと父さんのシャツだったからサイズがかなり大きくてさ。ズボンに入りきらないんだよね!」

「え……ああいう着こなし意識してるとかそういうのじゃなかったんだ……」

「まあ、ゆったりしたのは好きだよ。」

「だとしても、着崩しすぎだろ。」

「ん。ダーホンのそこら辺のセンスは俺、マネできないわ。」

(ふふ!七ツ森くんが本多くんの制服みたいに着崩してたらビックリしちゃうかも?)

 

森林公園(風真)

「高校生が遊びに来るような場所じゃないよな……」

「そう?オレはワクワクしてる!」

「なんで?」

「だって見てよ、池の中。水生生物がたくさん。ワクワクの宝庫だよね!」

「……たしかに。変わった昆虫もいそうだな。」

「…………」

「七ツ森くん、どうかした?」

「や、虫に遭遇したくないんで。」

「水中じゃなくても、草むらにもいるよ!どこにいるかなー……」

「探さなくていいし!」

「七ツ森、ビビりすぎ。せいぜいダンゴムシとかそんなもんだろ。」

「おまえたちが思ってるせいぜいと俺のせいぜいはレベルが違うんだ。」

「ふふ!」

「あっ!」

「お、なんかいたのか?」

「……やめろ。」

「メダカいた! 貴重! かっわいい~!」

「へえ。久しぶりに見た、メダカ。」

(ふふ! 結局みんな、この場所を楽しんでるよね!)

 

森林公園(風真)2

「ここって、心の声が聞こえるって噂あるよね?」

「うん、不思議だよね。」

「あっ! 何か聞こえなかった?」

「カザマの心の声か?」

「は? 何言ってんだよ!」

「え、ほんと?」

「おまえは興味を持つな。本多、何が聞こえたんだよ。」

「しっ、俺もなんか聞こえた。」

「待て待て、なんでおまえらにだけ聞こえんだよ。」

「それはさ、リョウくんの心の声だからじゃない?」

「なる、本人には聞こえないってことか。」

「おまえは何も聞こえないだろ?」

「う、うん。ちょっと、耳澄ませてみるね?」

「いや、もういいだろ。お茶、ティータイムにしようぜ。な?」

「カザマ、そんなにやましいことがあるのか?」

「そなの? リョウくん?」

「……風真くん?」

「何もないよ。わかった、じゃあみんなで耳澄ませてみようぜ。」

「良かったな、カザマ、疑いが晴れて。」

「は? もとから冤罪だ。」

「あと、あの声が聞こえてないのは…… 君の心の声ってこと?」

「ええ!!」

「まじかよ。」

「マジ?」

「もう一回聞いてみよっか。」

(えーと……みんな目が怖いよ?)

 

森林公園(本多)

「いいお天気でよかったね!」

「うんうん、ピクニック日和!」

「ピクニックか。いいな。」

「でも、弁当がない。」

「ないな。」

「お弁当かー。計画しておけば良かったかな。ね、◯◯ちゃん。」

「えっ?」

「今度、天気のいい日にさ、ここでお弁当持ってピクニックしよう!」

「サンセー。」

「頼んだぞ。」

「えぇっ!?」

「じゃあさ、みんなの好きなものメモしておこう?ね、◯◯ちゃん。」

(お弁当係はわたしってこと!?)

 

森林公園(本多)2

「……で。ぶらぶら歩いて、このあとはどうすんの?」

「さあ? 本多、次どうする?」

「そうだな…… 森林公園の中はもう一周したし、あとは――

「……カザマ。ダーホンに振ると悪い予感しかしないんだけど……」

「……あ。」

「?」

「大きな石の下とか、木の洞の中とか葉っぱの裏側とか気になるところはいっぱいあるんだよね……」

「ほら!なんかヤバいコト言ってるし!」

「昆虫博士・本多が出てきたか……」

「えっ、昆虫探し、したい? 今それ言おうと思ってたんだ!」

「もう、誰にも止められないな。」

「カザマ、あきらめんなよ。責任取れ。」

「悪かった。」

「了解っ! じゃあみんな、ついてきて!」

(昆虫探しになっちゃった……)

 

森林公園(七ツ森)

「あれ? あそこに人がたくさん。」

「あぁ、たぶんアレは撮影。」

「撮影?モデルさんの?」

「そ。ここはオールシーズンいいロケーションだから。」

「へぇ。あの女性がモデル?」

「キレイな人だね。きっとそうだよ。」

「あれはスタイリスト。うちの事務所の人だよ。」

「えっ?」

「モデルは椅子に座ってるコ。」

「子ども?」

「ここならキッズの写真も映えるだろ?」

「あ、そっか!子どもは自然が大好きだもんね!」

「……なんか、ダーホンの言う子どもが自然好きの意味がちょっと違う気もするけど。でも、あのスタイリストさんがいるってことは今日の撮影はチカラ入れてるっぽいな。」

(ということは、あの女性は凄腕のスタイリストさんなのかな?)

 

森林公園(七ツ森)2

「キレイ。水面がキラキラしてるね!」

「天気いいしな。まあ、散歩日和ってヤツ?」

「散歩はいいけどさ。何もしねぇの?」

「ミーくんには何か計画があるんでしょ?わざわざここを選んだんだから。」

「だよな。」

「べつに、深く考えてなかったけど。なんか文句ある? カザマ、提案があるならどーぞ。」

「はいはーい!オレはね――

「ダーホンに回答権はありません。」

「えー!? なんでだよっ!」

「俺の回答権を本多に譲る。」

「ふふ!」

「あ、待った。じゃあ、あんたに決めてもらう。どうしたい?」

「え……わたし?」

「そ。ホントにプランなしの一日だからあんたに合わせるよ。」

(うーん。わたしはみんなといられるだけでじゅうぶん楽しいんだけどな?)

 

植物園

「うわっ!?」

「なんだ、どうした?」

「なんか虫っぽいのが目の前横切った……」

「ここは熱帯雨林を再現しているからね。変わった昆虫もいっぱいいるよ。」

「……出よう。」

「え!? まだ来たばかりじゃん!」

「七ツ森に虫の話なんかするからだろ。」

「ねえ、お花もいろんな種類があるからそっちに集中して見て回ろう?」

「いいな、あそこの赤い花とか変わってるじゃん。見てみようぜ?」

「あ、ああ。なんかイヤな予感がするけど。」

「あの花はサラセニア。ああ見えて、じつは食虫植物なんだ。葉っぱのところがね。」

「……やっぱり!」

「悪い、七ツ森……」

「みんなで近くで見よ!」

(本多くん、生き生きしてる。七ツ森くんは……ちょっと可哀そうかも?)

 

植物園2

「あ、バナナなってる。」

「おー、リッパだな。」

「ふふ!たくさんなってるね!」

「でも、だいぶ熟しちゃってるね。」

「熟しちゃダメなのか?」

「オレたちが普段食べている黄色いバナナは青いうちに収穫してるんだ。それを追熟させると美味しいバナナになる。」

「へぇ。じゃあこれは美味くないの?」

「木で熟しすぎると味が落ちちゃうんだけど これはどうだろう。あ、勝手に取っちゃダメだよ?」

「取らないし!」

「じゃ、写真でも撮っとけよ?」

「バナナの写真撮ってだれが喜ぶんだよ。」

「ねえ、向こうに試食コーナーって書いてあるよ?」

「試食?イイね。」

「この植物園で収穫された果物だってさ。」

「これは行くしかないでしょ!ね?」

(きっといろんなものを試食しながら、本多くんの説明が始まるんだろうな)

 

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