お見舞い 柊夜ノ介
(ふぅ……この調子なら学校、行けそうだな……)
(ノック)
「はーい。」
「こんばんは、突然すみません。」
「えっ、柊くん!?」
「具合はどうですか?」
「うん、かなり良くなったよ。ごめんね……心配かけて。」
「……そう。声が聞けて安心しました。ゆっくり休んで。それじゃ。」
「えっ!? ちょっと待って……!」
︙
「具合が悪いのに、すみません。話し込んでしまって。」
「ううん、大丈夫。もうほとんど治ってるから。」
「ひとまず、よかった。そうだ……この何日かで、わかったことがありました。」
「わかったこと?」
「あなたが欠席しているのは知っているのに、僕は目であなたを探してしまう。キョロキョロとおかしな人になっていました。」
「ふふっ、柊くんらしくないかもね。」
「そちらは、あなたらしい笑顔が戻ってきましたね?」
「うん、ありがとう。柊くんのおかげでもうすっかり元気だよ!」
「ほら、調子に乗らない。今はまだ堪えてください。早く万全になって、登校すること。」
「はい。柊くん、お医者さんみたいだね。」
「なんでもいいですから。早く治ってくれないと、僕はキョロキョロした変な人として定着してしまう。」
「うん、わかった。心配かけてごめんね。」
「では、次は学校で。」
「今日はありがとう。」
(柊くんに心配かけちゃったな。早く元気にならないと……!)