お見舞い 風真玲太

(ふぅ……この調子なら学校、行けそうだな……)

(ノック)

「はい。」

「俺。様子見にきた。」

「ええ!! 風真くん!? ど、どうぞ……」

「どうだ。少しは良くなったのか?」

「うん、もう大丈夫だよ。心配かけて、ごめんね……」

「そうか、良かった…… 食べられるようになったら、これ。」

「わぁ、かわいい。かざぐるまのクッキー。」

「ああ。イギリスにいた頃さ、よく母さんに作ってもらってた。アイシングクッキー。それに俺たちの思い出のかざぐるまだ。これ食って早く治せよ。」

「うん。ふぅーってふいたら回りそう。」

「粉が飛ぶだけだ。」

「ふぅー……ほんとだ。」

「調子出てきたな。いいか、治りかけが大事だ。このままゆっくり寝ること。」

「はい。」

「いい返事だ、じゃあな。」

(風真くん、ありがとう。すごく元気出たよ。よし、ちゃんと休んでしっかり治すぞ!)