お見舞い 颯砂希
(ふぅ…… この調子なら学校、行けそうだな……)
(物音)
(お母さんかな……)
「痛ってて……す、すみません。あ、大丈夫ですんで。」
「ええっ!? この声は……」
「オレ。 起きてる?」
「ふふっ、やっぱり。颯砂くん、起きているよ。どうぞ。」
「失礼します……で、具合、どう?」
「颯砂くんこそ、大丈夫?どこかぶつけたの?」
「頭ぶつけた。ていうか、ごめん。今ので起こした?」
「ううん、ちょっと前に起きてたよ。」
「そっか。うん、顔色はいいみたいだな。」
「うん、もう大丈夫。でも、颯砂くん、部活は?」
「諦めて早めに切り上げた。どうせきみが気になって、身が入んないからさ。」
「そ、そうなの?ごめんね。ゆっくり休んだから、もう学校行けそうだよ。」
「ああ、頼む。このままじゃ練習に集中できないよ。あっ、でも無理は禁物な。治りかけが大事。」
「はーい。」
「素直でいいじゃん。あ、もう、オレ行く。デカイのがいたら邪魔だろ。」
「もう、そんなことないのに。でも、ありがとう。頭、気を付けてね?」
「うるさいよっ! って、元気そうな顔見られてよかった。じゃな。」
(颯砂くんに元気もらえたな。よし、もう少し休んで、早く治すぞ!)