学食会話 花椿みちる・花椿ひかる
- 双子だけど全然違う
- モデルを始めたきっかけ
- 月と太陽
- 風真くんと恋人?
- 見られたくない気持ち
- 気になるヘアバンド
- スポーツマンはあり?
- アタマがいいのはなぜ
- 恋愛のほうは……
- 七ツ森くんの特集
- 正体がわかったのは
- 女性から見ても美人
- 柊くんはセクシー
- メガネはガードの一種?
- 年下の男の子
- ミステリアスな先生
- 先生はいい匂い
- GORO先生のヤキモチ
- ほかの学校の男の子
双子だけど全然違う
「そういえば、二人に聞きたかったことがあるんだけど……」
「なに?」
「マリィがひかるたちに聞きたいこと? 恋?おしゃれ?どっち?」
「ううん、そうじゃなくて。二人は双子の姉妹だけど、髪の色は全然違うよね?」
「え~、そっち?」
「ふふ。どうして知りたいの?」
「だって、顔はそっくりなのに、髪の色が全然違うから。どうしてなのかなって。」
「マリィも私たちと違うじゃない。」
「えっ?でも、わたしたちは姉妹じゃないし……」
「でも、姉妹みたいに仲良しだよ♪」
「そうだけど……」
「おじさまと姫子お姉さまも全然違うけど。ねえ、ヒカル。」
「そうそう。ひかるたちとはすっごく似てるけど。なんでだろうね~?」
(なんだかはぐらかされてるような……?)
モデルを始めたきっかけ
「ねえ、二人はどういうきっかけでモデルを始めたの?」
「双子で。」
「カワイイからっ♡」
「それはわかるけど。それだけ?」
「え、ヘンかなぁ?」
「マリィがいてくれたらトリオになれる。一緒にどう?」
「えぇっ!? そんなのムリだよ!」
「ぜーんぜんムリじゃないよ。マリィは世界一カワイイもん。」
「うん。マリィは世界でいちばんカワイイ。」
「ちょっと恥ずかしいな……」
「テレてるマリィ、すごくいい。」
「もー、キュンキュンしちゃう♡」
(……あれ?なんの質問、してたんだっけ?)
月と太陽
「ねえ、双子はいろいろシンクロするって聞いたことあるけど、どうなの?」
「どうだったかな?」
「ないない!だってひかるたち、全然タイプが違うもん。」
「たしかに……」
「私は月、ヒカルは太陽かな?」
「うん、わかるような気がする。」
「お姉ちゃんが月?そうかなぁ……」
「ヒカル。余計なことは言わないの。ね?」
「?」
「はいはい。でもねマリィ、お姉ちゃんもああ見えて、ホットな太陽だよ?」
「え?」
「私は……冷静な月。」
「???」
「……夢見る乙女。」
「……ガサツ。」
(えぇと……二人とも、見た目だけじゃわからなそう?)
風真くんと恋人?
「そういえば……マリィにはちゃんと聞いたことがなかったけど。」
「え、なに?」
「入学式の日、風真くんと一緒に登校してきたでしょ。二人は恋人?」
「ええっ!?」
「お姉ちゃん、それは野暮ってもの。ねえ、マリィ?」
「あの……」
「ひかるは知ってるよ。二人はラブラブの幼なじみだって♪」
「へえ……ステキ。幼なじみって響きがロマンチック。」
「えぇと……」
「はばたき市の若さまと、お姫さまのマリィかぁ。いいねいいね~♡」
「私たち、いつでも応援してるから。ね?」
(二人とも、盛り上がっちゃってるなぁ……)
見られたくない気持ち
「風真くんてさ、前髪スッキリしたら別人になりそうだよね~。」
「たしかに……」
「でも、仕方がない。あれはマリィのせい。」
「えっ?」
「だよねぇ。読まれちゃうもんね~?」
「読まれる?」
「そう。相手の目をじっと見てると、だんだんと本心が見えてくる。」
「マリィに見られたくない気持ちがあるんだよね、きっと。」
「風真くんを見つめるときは気をつけてあげて?」
(風真くんの前髪の長さには何か秘密が……?)
気になるヘアバンド
「颯砂くんのヘアバンド、ちょっと気にならない?」
「気になる?」
「そうそう。だって、普段からつけっぱなしじゃん?」
「そういえば……」
「クセがすごい、とかじゃないと思うけど。」
「お姉ちゃん……実はね、一番はそれ。」
「えぇ?」
「一番は、ってことは他にも理由があるの?」
「ファッションではないと思うけど……」
「ちがうちがう!ひかるの情報だとね、どうやら昔、陸上選手だったお父様からの大切な贈り物だってウワサ。」
「ステキなウワサ。ね、マリィ?」
(颯砂くんのお父さんも陸上の選手だったんだ……すごく納得)
スポーツマンはあり?
「マリィはスポーツ選手ってどう思う?」
「えっ?」
「颯砂くんて完璧なスポーツマンでしょ。ああいう人は好き?」
「えぇっ!?」
「お姉ちゃんの質問じゃ答えられないって。ねぇ、マリィ。」
「えぇと……」
「つまり、マリィの男の子のタイプにスポーツマンはありなのかって話♪」
「あ、そういうことね!」
「……で、どうなの?」
「……どうなの?」
(どうして急にそんな質問が来るの~!?)
アタマがいいのはなぜ
「あ~あ、学校は好きだけど勉強は好きじゃないな~……」
「ふふ!」
「いつも成績トップの人ってさ、なんであんなにアタマいいのかなぁ。勉強がマジで好きなの?」
「好きじゃなきゃ続かないと思う。私たちとマリィの関係のように。」
「ふふっ、そうだね?」
「そう考えると、本多くんは勉強好きってことになるけど、それはすごくわかるかも。中等部のとき、彼は図書室の住人だったから。」
「そうなんだ?」
「そうそう!図書室の本、一年生のときに読破したって聞いたことがある!」
(すごい!本多くん、やっぱり勉強することが好きなんだ……)
恋愛のほうは……
「本多くんにとって、マリィは妹みたいなものなのかな。」
「えっ?」
「あ、それわかる~!……っていうか、ダーホン――じゃなくて本多くんて、恋愛の方は劣等生だよねぇ。」
「恋愛の劣等生……」
「そうそう。アタマはいいけど、恋愛はミジュク者♪」
「ヒカル、言いすぎ。」
「お姉ちゃんにも同じこと言えるけどね?」
「……本多くんと一緒にしないで。私はただ、恋愛に興味がないだけ。」
「ふぅん?」
(恋愛に関しては二人とも対照的?)
七ツ森くんの特集
「ねえねえ、今月のはばチャ、実クンのアクセ特集見た?」
「えっ?まだ見てない……」
「ヒカル、早とちり。はばチャは明日発売だから。」
「あれ?そうだっけ?」
「もう……」
「七ツ森くんの特集かぁ。花椿ツインズも、七ツ森くんもみんなカッコいいなぁ……!」
「カッコいいのは実クン。ひかるたちは、カワイイ♡」
「あっ、そうだったね?」
「でも、実クンて学校と仕事では本当に別人。そういうところ、尊敬する。」
「わっかる!ひかるにはムリ。あんな多重な生き方。」
(……多重? “二重” じゃなくて? 学校のメガネ姿の七ツ森くんと、モデルの “Nana” のことだよね……)
正体がわかったのは
「そういえばマリィ。どうして実クンがモデルだって正体がわかったの?」
「それは……初めて会ったときに、わかっちゃったっていうか……」
「ふぅん。そっかそっか。」
「実クンでも、やっぱりマリィの洞察力にはかなわなかったか~。」
「さすが。」
「それほどでも……」
「それとも、マリィが実クンのガードを突破しちゃったのかなぁ?」
「わかる。だって、相手はマリィだもん。」
(わたし、そんなにスゴイ能力は持ってないと思うけど……)
女性から見ても美人
「夜ノ介さんて美しいよねぇ。」
「ふふ、そうだね。」
「男性としても、女性から見ても美人。生き方がね。」
「生き方かぁ……たしかに、普通では考えられないかも。」
「だって座長だよ? ひかるたちと同い年なのに、大人たちを仕切ってるんだよ?」
「ヒカル、その言い方はダメ。」
「エヘ♡」
「人の上に立つのって、ときには自分を犠牲にしてでも身内を守る覚悟が必要。」
「夜ノ介さん、表情にはあまり出さないけど実はすっごく苦労してるのかなぁ?」
(座長として人の上に立つ、か……たしかに、高校生のわたしたちにはわからない感覚なのかも)
柊くんはセクシー
「夜ノ介さんの泣きぼくろってセクシーだよねぇ。」
「わかる。あのほくろがあっての夜ノ介さんだと思う。」
「セクシーなホクロかぁ……」
「マリィ、興味あるの?ファッションの世界でならつけぼくろがあるけど。」
「つけぼくろ……」
「マリィはそのままが好きだな~。つるんっとしたタマゴみたいで♡」
「ふふ。でも、セクシーなマリィも見てみたいかも。」
「そう言われると興味わくなぁ……うんうん。」
(二人とも、目が本気だけど。いったいどんな想像してるんだろう……)
メガネはガードの一種?
「氷室ちゃんて変わってるよね~。」
「え、変わってる?」
「だってあのメガネ、度なんかほとんど入ってないじゃん?」
「おしゃれメガネという風でもないみたいだし。彼のガードの1つかな?」
「ガード……?」
「そう。彼、壁を自ら作ってるでしょ。」
「仕方ないよ~。同じ校内に、有名な教頭先生がいて、それが親族ってなったら……ねぇ?お姉ちゃんだって、おじさまが毎日校内にいたら ちょっとやりづらいときもあると思わない?」
「まあ……授業はまともに受けられないかもね?」
(おじさまって、GORO先生のことだよね。まともに授業を受けられないって……?)
年下の男の子
「マリィは年下の男の子に興味ある?」
「えっ!? どうして、いきなり……?」
「だって、氷室ちゃんと仲がいいみたいだし。気になって。」
「えっ、マリィは年下好きなの?恋してるの?」
「もう。ひかるさん、考えすぎ……!」
「あやしいな~。」
「ふふ。彼の好みなら、いつでも教えてあげる。」
「彼の気持ちなら、いつでも教えてあげる♡」
(みちるさん、ひかるさん。ありがたいけど……考えすぎ!)
ミステリアスな先生
「御影先生って、ミステリアス。そう思わない?」
「ミステリアス……髪型とか?」
「あ、あの左のクルクル?それとも、上のクロワッサン?」
「クロワッサン?」
「あるじゃない。前髪の上に、クルクルってした髪。最初エクステかと思った!」
「私も。教師にしては、すごく目立つから。わざとしてるのかなって。」
(クロワッサン……)
(グゥ~)
「ふふ。そろそろランチ食べよっか。」
「アハ!マリィ、超カワイイ~♡」
(うぅ……これから、御影先生を見るたびにクロワッサンを思い出しちゃうかも……)
先生はいい匂い
「御影先生って、いつもいい匂いがするんだよね。」
「えっ、そう?」
「あれ?マリィは感じない?」
「うーん……」
「たぶんあれは……植物の香り。想像だけど、おうちで食用ハーブとかお花を育てているんじゃないかな?」
「家……?園芸部じゃなくて?」
「そう。だって、香りが染みついているから。」
「そうそう。近くにいつもあの匂いの元があるって感じだよね~!」
(御影先生の香り……ちょっと気になるかも)
GORO先生のヤキモチ
「そういえば、おじさまが。」
「おじさま……GORO先生?」
「そう。マリィに会いたがってた。」
「そうなの?」
「そうそう。ひかるたちにヤキモチやいてた♪」
「ヤキモチ……」
「だって、ひかるたちは毎日学校で会えるでしょ?おじさまは学校関係者じゃないから……ね?」
「昔は入り浸ってたみたいだけど。今は、教頭先生がこわいみたい。」
「あっ!理事長とおじさまが一緒に怒られてるとこ、ひかる見たことあるよ!」
(GORO先生……理事長も。いったい何をしたんだろう?)
ほかの学校の男の子
「ねえ、マリィに聞きたいことがあるの。」
「なに?」
「他の学校の男の子のことも、ちゃんと知りたい?」
「えっ?」
「あぁ……私も聞きたかったところ。私たち、マリィのためなら何でもしてあげたいんだけど。」
「はば学以外の男の子のことってなると、情報圏外っていうか……ね?」
「身近な人のことなら、いろいろ感じ取れるんだけど……ね?」
「あの……」
「完全には教えられないかもしれないけど そこは許してね?」
(それって……白羽くんのこと?)