学食会話 花椿みちる・花椿ひかる

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双子だけど全然違う

「そういえば、二人に聞きたかったことがあるんだけど……」

「なに?」

「マリィがひかるたちに聞きたいこと? 恋?おしゃれ?どっち?」

「ううん、そうじゃなくて。二人は双子の姉妹だけど、髪の色は全然違うよね?」

「え~、そっち?」

「ふふ。どうして知りたいの?」

「だって、顔はそっくりなのに、髪の色が全然違うから。どうしてなのかなって。」

「マリィも私たちと違うじゃない。」

「えっ?でも、わたしたちは姉妹じゃないし……」

「でも、姉妹みたいに仲良しだよ♪」

「そうだけど……」

「おじさまと姫子お姉さまも全然違うけど。ねえ、ヒカル。」

「そうそう。ひかるたちとはすっごく似てるけど。なんでだろうね~?」

(なんだかはぐらかされてるような……?)

 

モデルを始めたきっかけ

「ねえ、二人はどういうきっかけでモデルを始めたの?」

「双子で。」

「カワイイからっ♡」

「それはわかるけど。それだけ?」

「え、ヘンかなぁ?」

「マリィがいてくれたらトリオになれる。一緒にどう?」

「えぇっ!? そんなのムリだよ!」

「ぜーんぜんムリじゃないよ。マリィは世界一カワイイもん。」

「うん。マリィは世界でいちばんカワイイ。」

「ちょっと恥ずかしいな……」

「テレてるマリィ、すごくいい。」

「もー、キュンキュンしちゃう♡」

(……あれ?なんの質問、してたんだっけ?)

 

月と太陽

「ねえ、双子はいろいろシンクロするって聞いたことあるけど、どうなの?」

「どうだったかな?」

「ないない!だってひかるたち、全然タイプが違うもん。」

「たしかに……」

「私は月、ヒカルは太陽かな?」

「うん、わかるような気がする。」

「お姉ちゃんが月?そうかなぁ……」

「ヒカル。余計なことは言わないの。ね?」

「?」

「はいはい。でもねマリィ、お姉ちゃんもああ見えて、ホットな太陽だよ?」

「え?」

「私は……冷静な月。」

「???」

「……夢見る乙女。」

「……ガサツ。」

(えぇと……二人とも、見た目だけじゃわからなそう?)

 

風真くんと恋人?

「そういえば……マリィにはちゃんと聞いたことがなかったけど。」

「え、なに?」

「入学式の日、風真くんと一緒に登校してきたでしょ。二人は恋人?」

「ええっ!?」

「お姉ちゃん、それは野暮ってもの。ねえ、マリィ?」

「あの……」

「ひかるは知ってるよ。二人はラブラブの幼なじみだって♪」

「へえ……ステキ。幼なじみって響きがロマンチック。」

「えぇと……」

はばたき市の若さまと、お姫さまのマリィかぁ。いいねいいね~♡」

「私たち、いつでも応援してるから。ね?」

(二人とも、盛り上がっちゃってるなぁ……)

 

見られたくない気持ち

「風真くんてさ、前髪スッキリしたら別人になりそうだよね~。」

「たしかに……」

「でも、仕方がない。あれはマリィのせい。」

「えっ?」

「だよねぇ。読まれちゃうもんね~?」

「読まれる?」

「そう。相手の目をじっと見てると、だんだんと本心が見えてくる。」

「マリィに見られたくない気持ちがあるんだよね、きっと。」

「風真くんを見つめるときは気をつけてあげて?」

(風真くんの前髪の長さには何か秘密が……?)

 

気になるヘアバンド

「颯砂くんのヘアバンド、ちょっと気にならない?」

「気になる?」

「そうそう。だって、普段からつけっぱなしじゃん?」

「そういえば……」

「クセがすごい、とかじゃないと思うけど。」

「お姉ちゃん……実はね、一番はそれ。」

「えぇ?」

「一番は、ってことは他にも理由があるの?」

「ファッションではないと思うけど……」

「ちがうちがう!ひかるの情報だとね、どうやら昔、陸上選手だったお父様からの大切な贈り物だってウワサ。」

「ステキなウワサ。ね、マリィ?」

(颯砂くんのお父さんも陸上の選手だったんだ……すごく納得)

 

スポーツマンはあり?

「マリィはスポーツ選手ってどう思う?」

「えっ?」

「颯砂くんて完璧なスポーツマンでしょ。ああいう人は好き?」

「えぇっ!?」

「お姉ちゃんの質問じゃ答えられないって。ねぇ、マリィ。」

「えぇと……」

「つまり、マリィの男の子のタイプにスポーツマンはありなのかって話♪」

「あ、そういうことね!」

「……で、どうなの?」

「……どうなの?」

(どうして急にそんな質問が来るの~!?)

 

アタマがいいのはなぜ

「あ~あ、学校は好きだけど勉強は好きじゃないな~……」

「ふふ!」

「いつも成績トップの人ってさ、なんであんなにアタマいいのかなぁ。勉強がマジで好きなの?」

「好きじゃなきゃ続かないと思う。私たちとマリィの関係のように。」

「ふふっ、そうだね?」

「そう考えると、本多くんは勉強好きってことになるけど、それはすごくわかるかも。中等部のとき、彼は図書室の住人だったから。」

「そうなんだ?」

「そうそう!図書室の本、一年生のときに読破したって聞いたことがある!」

(すごい!本多くん、やっぱり勉強することが好きなんだ……)

 

恋愛のほうは……

「本多くんにとって、マリィは妹みたいなものなのかな。」

「えっ?」

「あ、それわかる~!……っていうか、ダーホン――じゃなくて本多くんて、恋愛の方は劣等生だよねぇ。」

「恋愛の劣等生……」

「そうそう。アタマはいいけど、恋愛はミジュク者♪」

「ヒカル、言いすぎ。」

「お姉ちゃんにも同じこと言えるけどね?」

「……本多くんと一緒にしないで。私はただ、恋愛に興味がないだけ。」

「ふぅん?」

(恋愛に関しては二人とも対照的?)

 

七ツ森くんの特集

「ねえねえ、今月のはばチャ、実クンのアクセ特集見た?」

「えっ?まだ見てない……」

「ヒカル、早とちり。はばチャは明日発売だから。」

「あれ?そうだっけ?」

「もう……」

「七ツ森くんの特集かぁ。花椿ツインズも、七ツ森くんもみんなカッコいいなぁ……!」

「カッコいいのは実クン。ひかるたちは、カワイイ♡」

「あっ、そうだったね?」

「でも、実クンて学校と仕事では本当に別人。そういうところ、尊敬する。」

「わっかる!ひかるにはムリ。あんな多重な生き方。」

(……多重? “二重” じゃなくて? 学校のメガネ姿の七ツ森くんと、モデルの “Nana” のことだよね……)

 

正体がわかったのは

「そういえばマリィ。どうして実クンがモデルだって正体がわかったの?」

「それは……初めて会ったときに、わかっちゃったっていうか……」

「ふぅん。そっかそっか。」

「実クンでも、やっぱりマリィの洞察力にはかなわなかったか~。」

「さすが。」

「それほどでも……」

「それとも、マリィが実クンのガードを突破しちゃったのかなぁ?」

「わかる。だって、相手はマリィだもん。」

(わたし、そんなにスゴイ能力は持ってないと思うけど……)

 

女性から見ても美人

「夜ノ介さんて美しいよねぇ。」

「ふふ、そうだね。」

「男性としても、女性から見ても美人。生き方がね。」

「生き方かぁ……たしかに、普通では考えられないかも。」

「だって座長だよ? ひかるたちと同い年なのに、大人たちを仕切ってるんだよ?」

「ヒカル、その言い方はダメ。」

「エヘ♡」

「人の上に立つのって、ときには自分を犠牲にしてでも身内を守る覚悟が必要。」

「夜ノ介さん、表情にはあまり出さないけど実はすっごく苦労してるのかなぁ?」

(座長として人の上に立つ、か……たしかに、高校生のわたしたちにはわからない感覚なのかも)

 

柊くんはセクシー

「夜ノ介さんの泣きぼくろってセクシーだよねぇ。」

「わかる。あのほくろがあっての夜ノ介さんだと思う。」

「セクシーなホクロかぁ……」

「マリィ、興味あるの?ファッションの世界でならつけぼくろがあるけど。」

「つけぼくろ……」

「マリィはそのままが好きだな~。つるんっとしたタマゴみたいで♡」

「ふふ。でも、セクシーなマリィも見てみたいかも。」

「そう言われると興味わくなぁ……うんうん。」

(二人とも、目が本気だけど。いったいどんな想像してるんだろう……)

 

メガネはガードの一種?

「氷室ちゃんて変わってるよね~。」

「え、変わってる?」

「だってあのメガネ、度なんかほとんど入ってないじゃん?」

「おしゃれメガネという風でもないみたいだし。彼のガードの1つかな?」

「ガード……?」

「そう。彼、壁を自ら作ってるでしょ。」

「仕方ないよ~。同じ校内に、有名な教頭先生がいて、それが親族ってなったら……ねぇ?お姉ちゃんだって、おじさまが毎日校内にいたら ちょっとやりづらいときもあると思わない?」

「まあ……授業はまともに受けられないかもね?」

(おじさまって、GORO先生のことだよね。まともに授業を受けられないって……?)

 

年下の男の子

「マリィは年下の男の子に興味ある?」

「えっ!? どうして、いきなり……?」

「だって、氷室ちゃんと仲がいいみたいだし。気になって。」

「えっ、マリィは年下好きなの?恋してるの?」

「もう。ひかるさん、考えすぎ……!」

「あやしいな~。」

「ふふ。彼の好みなら、いつでも教えてあげる。」

「彼の気持ちなら、いつでも教えてあげる♡」

(みちるさん、ひかるさん。ありがたいけど……考えすぎ!)

 

ミステリアスな先生

「御影先生って、ミステリアス。そう思わない?」

「ミステリアス……髪型とか?」

「あ、あの左のクルクル?それとも、上のクロワッサン?」

「クロワッサン?」

「あるじゃない。前髪の上に、クルクルってした髪。最初エクステかと思った!」

「私も。教師にしては、すごく目立つから。わざとしてるのかなって。」

(クロワッサン……)

(グゥ~)

「ふふ。そろそろランチ食べよっか。」

「アハ!マリィ、超カワイイ~♡」

(うぅ……これから、御影先生を見るたびにクロワッサンを思い出しちゃうかも……)

 

先生はいい匂い

「御影先生って、いつもいい匂いがするんだよね。」

「えっ、そう?」

「あれ?マリィは感じない?」

「うーん……」

「たぶんあれは……植物の香り。想像だけど、おうちで食用ハーブとかお花を育てているんじゃないかな?」

「家……?園芸部じゃなくて?」

「そう。だって、香りが染みついているから。」

「そうそう。近くにいつもあの匂いの元があるって感じだよね~!」

(御影先生の香り……ちょっと気になるかも)

 

GORO先生のヤキモチ

「そういえば、おじさまが。」

「おじさま……GORO先生?」

「そう。マリィに会いたがってた。」

「そうなの?」

「そうそう。ひかるたちにヤキモチやいてた♪」

「ヤキモチ……」

「だって、ひかるたちは毎日学校で会えるでしょ?おじさまは学校関係者じゃないから……ね?」

「昔は入り浸ってたみたいだけど。今は、教頭先生がこわいみたい。」

「あっ!理事長とおじさまが一緒に怒られてるとこ、ひかる見たことあるよ!」

(GORO先生……理事長も。いったい何をしたんだろう?)

 

ほかの学校の男の子

「ねえ、マリィに聞きたいことがあるの。」

「なに?」

「他の学校の男の子のことも、ちゃんと知りたい?」

「えっ?」

「あぁ……私も聞きたかったところ。私たち、マリィのためなら何でもしてあげたいんだけど。」

「はば学以外の男の子のことってなると、情報圏外っていうか……ね?」

「身近な人のことなら、いろいろ感じ取れるんだけど……ね?」

「あの……」

「完全には教えられないかもしれないけど そこは許してね?」

(それって……白羽くんのこと?)