文化祭会話 花椿みちる

出歩きイベント「恋模様」

「はぁ……」

「あ、みちるさん!」

「マリィ。どうしよう……」

「えっ、どうかしたの?」

「私、とても胸がドキドキして……」

「だ、大丈夫!? 保健室に行く?」

「ううん、違うの。さっきね、校舎裏で告白シーンを見ちゃったの。とっても甘酸っぱい言葉のやり取りに、ときめきが止まらない。あぁ……どうしたらいいの?」

(みちるさん、自分のことじゃないのに顔が真っ赤……ピュアなんだなぁ)

 

「あっ、マリィ!」

「みちるさん。」

「ねえ、文化祭当日になると急にカップルが増えてる気がしない?」

「そうかな……?」

「絶対そう。だって、昨日まではただのクラスメートだと思ってた男女が、今日は二人で…… やだ……!私、なんでこんなこと気にしてるんだろう。」

「……みちるさん、恋、したいの?」

「 !? だめ。屋上に行って頭を冷やしてくる!」

(みちるさん、今年も顔が真っ赤だ……)

 

「あっ、みちるさん!今年は――

「マリィ。ふふ、大丈夫。今年はしっかり対策してきたから。」

「対策?」

「文化祭準備期間中に、恋愛もののドラマや漫画をたくさん見て耐性をつけたの。だから、少しくらい甘酸っぱいシチュエーションを見たって動じない。」

「そ、そっか。」

「ふふ。……でも、その漫画やドラマ。ステキなお話だったな……思い出すだけで顔が熱くなっちゃう。やだ……!私、また顔が真っ赤になってる?」

(あはは……もしかして逆効果だったかもね……?)