文化祭会話 花椿みちる
出歩きイベント「恋模様」
1
「はぁ……」
「あ、みちるさん!」
「マリィ。どうしよう……」
「えっ、どうかしたの?」
「私、とても胸がドキドキして……」
「だ、大丈夫!? 保健室に行く?」
「ううん、違うの。さっきね、校舎裏で告白シーンを見ちゃったの。とっても甘酸っぱい言葉のやり取りに、ときめきが止まらない。あぁ……どうしたらいいの?」
(みちるさん、自分のことじゃないのに顔が真っ赤……ピュアなんだなぁ)
2
「あっ、マリィ!」
「みちるさん。」
「ねえ、文化祭当日になると急にカップルが増えてる気がしない?」
「そうかな……?」
「絶対そう。だって、昨日まではただのクラスメートだと思ってた男女が、今日は二人で…… やだ……!私、なんでこんなこと気にしてるんだろう。」
「……みちるさん、恋、したいの?」
「 !? だめ。屋上に行って頭を冷やしてくる!」
(みちるさん、今年も顔が真っ赤だ……)
3
「あっ、みちるさん!今年は――」
「マリィ。ふふ、大丈夫。今年はしっかり対策してきたから。」
「対策?」
「文化祭準備期間中に、恋愛もののドラマや漫画をたくさん見て耐性をつけたの。だから、少しくらい甘酸っぱいシチュエーションを見たって動じない。」
「そ、そっか。」
「ふふ。……でも、その漫画やドラマ。ステキなお話だったな……思い出すだけで顔が熱くなっちゃう。やだ……!私、また顔が真っ赤になってる?」
(あはは……もしかして逆効果だったかもね……?)