文化祭会話 本多行

 

出歩きイベント「クイズ対決」

「いらっしゃい、いらっしゃーい。」

「あれ?本多くん、何しているの?」

「クイズ・ヘアーカット・ダーホン!」

「ええ? 何?」

「オレとクイズして勝った人は、ご褒美でヘアカットサービス!面白いよね?ピカちゃんのアイディア。オレの特技が2つ融合してるんだ。クイズと、自分の髪を切って鍛えた腕。君も挑戦する?」

「え、遠慮します。」

「そなの?じゃあ、オレ、お客さん探してくる。じゃね。」

 

「いらっしゃーい。クイズ・ヘアカット・ダーホン。クイズ勝負で勝ったら、散髪してあげるよ~。」

男子生徒「なんだよそれ、髪切りデスマッチ!?」

「ようこそ!じゃあ、クイズ勝負だね~!」

(本多くんがクイズで負けることはないから、大丈夫だよね……?)

 

「いらっしゃい、いらっしゃーい。」

「まさか、本多くん 今年もやってるの!?」

「そそ、今年もやるよ。クイズ・ヘアカット・ダーホン。去年はひとりもオレに勝てなかったからね。」

「そ、そうだよね……」

男子生徒A「うわ、今年もやってんのかよ?」

男子生徒B「あれか、噂のクイズ・髪切りデスマッチ。」

男子生徒A「ああ、今年も勝負だ。クイズに勝てないと分かっていても怖いぜ。」

「はいはい。いらっしゃーい。 お客さん来たから、じゃあね!」

(もしかして、少し人気になってきてる?)

 

「◯◯ちゃん。」

「あ、本多くん、今年はやらないの?」

「クイズ・ヘアカット・ダーホンのこと?」

「うん、そう。去年、ちょっと人気だったのに。」

「なんか、オレの想定とは違う人気なんだよね。オレ、髪はいつも自分で切ってるから、その腕前を披露したいのにさ。」

「クイズで本多くんに勝てる人なんていないよ?」

「うん、そこだよね。だから、今年は――

放送「恒例のクイズ・ヘアカット・ダーホン、今年は校門前で行います。参加希望の方は校門までお越しください。」

「えっ、まさか……」

「うん。なんか、大掛かりにやってくれるらしいよ。クイズ大会っぽく。で、オレに負けた人を、散髪するってことになった。」

「ええ!? それはダメだよ!」

「うんうん、やっぱりかぁー。君もそう思う?オレも。なんかご褒美じゃなくて、罰ゲームみたいになってるもんね。やっぱり、オレに勝った人だけに散髪のサービスをするよ。オレは負ける気ないけどね?」

「う、うん。絶対そうしてね?」

「わかった。んじゃねー。」

(今年も本多くんが負けることはないと思うけど……)

 

クラス展示

1年目:和風喫茶

「お抹茶とみたらし団子、お待たせしました。」

(ふぅ…… こんなにお客さんが来るなんて想像してなかった……)

「◯◯ちゃん。へー、揃いの浴衣なんだね。」

「あっ、本多くん。いらっしゃいませ~。」

「うんうん、団子屋の雰囲気出てる。」

「ええ? 和風喫茶だよ。 看板メニューはみたらし団子セットだけどね。」

「香ばしい匂い……これ全部手作りなの?」

「うん、そうだよ。」

「じゃ、君の作ったみたらし団子セットください。」

「はい、ご注文承りました~!」

 

「うんうん、団子もみたらし餡も最高っ!」

「ホント? よかった。」

「食べ終わるのが寂しいよ。」

「ふふっ、おかわりする?」

「いいの? じゃあ、おかわりで3セット。」

「3セット!? そんなに食べられるの?」

「全然へーき!もっと食べたいところだけど、他の人にも取っておかないとね。」

(本多くんのおなかが心配だけど……喜んでもらえてよかった!)

 

2年目:ダンボール迷路

「迷路だよ~。見事ゴールできたら、搾りたて牛乳が飲めるよ~。」

「迷路クリアで、牛乳が飲めるの!? 面白すぎ!!」

「あ、本多くんいらっしゃい。」

「ねね、君もこの中で何かするの?」

「ううん、わたしはここで案内係だよ。」

「だー、そっか。一緒に入りたかったけど、看板娘は外せないもんね。」

「あ、わたしが作った仕掛けもあるからね?」

「えっ! 君の作った仕掛け!? 行ってくる!」

「あっ! えぇと、1名様もう入りました~!」

 

「だー、やっと着いたぁ……」

「あ、おかえりなさい。どうだった?」

「教室の中で迷子になるなんて、思わなかったよ。 そそ!あと、君の仕掛けも見つけたよ!」

「ふふ、わかった?」

「正解ルートを巧妙に隠してたね?ホルスタインがバラバラな方を向いてて、方向感覚が狂った。」

「すごい! よくわかったね。」

「デザインとしても可愛かったし、君っぽいなってさ。 あー楽しかった。オレ、宣伝してくるよ!」

(よかった!本多くん、すごく気に入ってくれたみたい!)

 

吹奏楽

1年目:楽曲演奏「クラシック」

(そろそろ出番だ。緊張してきちゃった……)

「あれ、緊張してる顔だ。」

「あ、本多くん。会場のお客さんを見たらドキドキしてきちゃって……」

「んー…… あ。 ◯◯ちゃん。オレのマネして?」

「え……う、うん。」

「自分の鼓動、感じる?」

「……うん。」

「その微振動で、リラックスできるんだよ。」

「う、うん。少し落ち着けたかも?」

(開演ブザー)

「わっ!? ビックリしたー。不正解って感じの音じゃん。」

「ふふっ、大丈夫? せっかくリラックスしてたのにね?」

(あれ……本多くんのおかげで、緊張がなくなってるみたい。うん、がんばろう)

 

(良かった!初めての演奏、上手くいったみたい!)

「◯◯ちゃん。やったね、大成功だ。」

「ありがとう!ちゃんと演奏ができてほっとしたよ。」

「うんうん。今の君、いい顔してる!」

(やった!本多くんに喜んでもらえてうれしい!)

 

2年目:楽曲演奏「ゲームミュージック

ゲームミュージックは人気だからかな……お客さんがたくさんだ……)

「◯◯ちゃん。ゲームミュージック聴きに来たよ。」

「あ、本多くん……」

「あれ、その顔…… 固くなってる?」

「う、うん。ちょっとね。ミスしたらって考えると……」

「ふふん、知ってる? ゲームの裏技って、よく聞くでしょ。あれって実は、単なる開発段階のミスっていうケースが多いらしいよ。」

「へー、そうなんだ。」

「でもプレイヤーはそれを楽しんじゃうんだ。ゲームって面白いよね。だから、もし演奏間違っちゃってもさ、結果、みんなで楽しめればいいじゃない?」

「うーん。そうなのかな……」

「ああ、スタートの時間。ほら、みんなでゲームを楽しもうよ。」

(うん、せっかくゲームミュージックを演奏するんだから、楽しまなくちゃね!)

 

(うん、去年よりいい演奏ができたかも!)

「◯◯ちゃん。」

「あ、本多くん。どうだった?」

「すっごく良かったよ!聴いててワクワクした!何より、君もすごく楽しそうに演奏してたでしょ?まんまとつられちゃったよ。」

「よかった、ありがとう!」

「うんうん。何より、その満足そうな顔が見られてオレも大満足!」

(やったね!ステージは大成功!)

 

3年目:楽曲演奏「フォース・ハート」

(今年は落ち着いていけそう。三年間、がんばってきたおかげかな?)

「◯◯ちゃん。様子、見に来たよ。」

「あ、本多くん。ありがとう!」

「……あれ?いつもの君のままだ。」

「ふふ、そう?もう三年目だからかな。」

「そっかぁ。今年で最後かぁ……なんか寂しいなぁ。」

「もう、本多くんが感傷的になっちゃうの?」

「だー、ゴメン。君を応援しに来たのに、オレが励まされてどうすんだって。」

「ううん、ありがとう。いってくるね?」

「うん、いってらっしゃい!オレが感動して客席で泣いてても笑っちゃダメだからね?」

(ふふっ!よーし、吹奏楽部で三年間がんばったんだもん、集大成にしなきゃ!)

 

(よかった、上手くできたみたい!)

「だー、やられたー……」

「えっ?本多くん、どうしたの?」

「オレ、演奏聴いて泣いたの初めてだよ。」

「えっ?」

「だって、君のソロパートはずるいよ。あそこで、自然と涙でてきた。君が一生懸命練習してたの知ってるからさ。」

「本多くん……」

「……あ、まただ。ダメかも。」

(すごく感動してもらえたみたい!三年間、吹奏楽部でがんばってきて本当によかったな……)

 

園芸部

1年目:ハーブティー

(今年の園芸部の出し物はカフェ。ハーブティーとクッキーを用意したけど……)

「◯◯ちゃん、お疲れさま。」

「あ、本多くん。いらっしゃいませ!」

「はー、いい香り…… ここだけ別世界って感じだね。」

「ふふ。リラックス効果のあるハーブティーと手作りクッキーはいかが?」

「いいね!いただきます。」

「はい、お客様1名でーす。」

 

「このハーブティー、妹が使ってるアロマオイルの匂いと似てる。」

「リラックス効果を高めるブレンドがしてあるんだ。」

「うんうん。すっごく良い香り。ハーブ入りクッキーも美味しいよ。最高っ!
 はぁ……オレ、今超リラックス中…… もう少しゆっくりしててもいい?」

(本多くん、満足してるみたい! やったね!)

 

2年目:ハーブティー&野菜即売会
3年目:オーガニックカフェ

 

生徒会執行部

1年目:文化祭運営「雑用、連絡係」

(ポスター貼りは終わったし、次は……書類の整理だ)

「あ、いたいた。縁の下の力持ちさん。」

「えっ、本多くん。何かあった?」

「ううん、君を探してたんだ。一緒に回ろうと思って。」

「あ……ごめんね?今はここを離れられないんだ。」

「そっか、手伝えることがあったら何でも言って!ぶらぶらしてるから。」

「ふふっ、うん。 ありがとう、本多くん。」

「じゃあ、しばらく君の活躍を見てから、ぶらぶらしよ。」

(よーし、きちんと仕事してるとこ 見てもらわないとね!)

 

「八面六臂、まさにそんな感じだよね。」

「あ、本多くん。文化祭、楽しめた?」

「うん、君たち生徒会の人たちのおかげだよ。みんなを代表してお礼言わせてよ。ありがとうございました!」

「ふふっ、どういたしまして。」

「あとは、オレの個人的なお礼。園芸部のハーブティー飲みに行こ。ごちそうする。」

(ふふ、本多くんに褒められちゃった!)

 

2年目:文化祭運営「資材担当」
3年目:文化祭運営「フロア担当」

 

手芸部

1年目:カジュアルウェア

(ギリギリ仕上がったけど、いよいよランウェイ……緊張しちゃうな……)

「わ、モデルさんだ……」

「あっ、本多くん、来てくれたの。」

「うん、メイクとファッションでがらりと変わっちゃうんだね。女の子ってホントにすごいや。」

「そんなに違う?」

「うん、ぜんぜん違うよ。今の君も、普段の君も、オレはどっちも好きだけど。」

「えっ。」

「あ、時間だ。いってらっしゃい!」

「ありがとう、いってきます!」

(よーし、バッチリ決めなきゃね!)

 

(よかった、なんとか成功したみたい!)

「カッコよかった、モデルウォーク!」

「ありがとう、はば学手芸部の伝統なんだ。」

「ふーん、でも君が一番だったよ。お客さんの拍手も一番多かったしね。」

(ふふっ! やったね、大成功!)

 

2年目:パーティードレス

(初めて作ったドレス。自分では気に入ってるんだけど……)

「すごい、きれいだな……」

「あっ、本多くん。本当?」

「うん、いつプロにスカウトされてもおかしくないよ。でも、これだけは忘れないでよ?一番のファンはオレだから!」

「ふふっ、ありがとう。」

「もう時間。君のモデルウォーク、楽しみにしてるね。それじゃ、がんばって!」

(よーし、本多くんの期待に応えるぞ!)

 

(よかった、なんとか成功したみたい!)

「◯◯ちゃん、おめでとう!さっきまでステージにいた君が目の前にいると不思議な気持ちだな。」

「ええ?」

「それくらい、キレイでカッコよかったよ。今度、オレにもモデルウォーク教えて!」

(やったー!本多くんに褒められちゃった!)

 

3年目:ウエディングドレス

(今年は手芸部伝統のウエディングドレス。キレイにできたと思うけど……)

「う、うーん……」

「あっ、本多くん。応援に来てくれたの?」

「うん、そのつもりだったんだけど……モヤモヤする。」

「えっ?」

「ウエディングドレスを着た君はキレイだし、似合ってるし独占したいよ。」

「ええ!?」

「ほら、映画で花嫁さんを連れ去るのあるでしょ?あれ、やってもいい?」

「ええっ!?」

「冗談だよ……でも、そんなに引かなくてもいいよな……」

(開演ブザー)

「あっ、時間……」

「ブーだってさ。不正解って感じ。
 安心して。連れ去ったりしないから。君らしく胸張って歩いてきてよ。」

(うん、これが最後のステージ、三年間の締めくくり、キメなきゃ!)

 

(やったー! 大成功!!)

「はぁ、よかった……」

「うん、転ばずに済んだよ。」

「オレが心配してたのは、そこじゃない。花嫁さんがそのまま遠くに行っちゃうんじゃないかってこと。」

「ええ?」

「そんな気がしただけ。最後の文化祭、成功おめでとう!本当にキレイだったよ。」

(本多くんありがとう……手芸部を三年間続けてきてよかったな)

 

ローズクイーン

「◯◯ちゃん。」

「あ、本多くん。」

「やったね!! ローズクイーンだよ!? 結果発表の時さ、オレが出場してるわけでもないのにすっごいドキドキした!」

「う、うん。自分でも信じられないよ……」

「◯◯ちゃん。」

「な、何?」

「ローズクイーンって外見だけじゃなく、才色兼備が求められる――言わば、このはばたき学園の顔なワケだけど……オレは、君がローズクイーンの名に恥じない魅力の持ち主だってこと、胸を張って言えるよ?……って、オレに自信があっても意味ないか。」

「ふふっ。本多くん、ありがとう。」

「そそ、その笑顔!それでこそローズクイーンに相応しいよ。改めて、おめでとう!」