文化祭会話 颯砂希

 

出歩きイベント「相談」

「◯◯、楽しんでる?」

「うん、颯砂くんは?」

「文化祭はのんびりだよな。勝ったり負けたり、タイム競ったりないからさ。」

「ふふっ。颯砂くん、物足りなそう。」

「そんなことないけどさ。」

男性客「あの……陸上の颯砂希さんっすよね?」

「え?あ、はい。」

男性客「オレも陸上やってるんだけど、どうやったら、あんな記録出せるんですか?」

「どうって言われても……それで、きみの専門競技はなに? ◯◯、オレ、向こうで話してくる。あとで、一緒に出店まわろう?」

(ふふっ!颯砂くん、教えてあげるのかな?)

 

「◯◯、文化祭楽しんでる?」

「うん、颯砂くんは――

男性客A「颯砂くん!今年は仲間連れてきた。」

「ええっ?」

男性客B「颯砂くん!よろしくお願いします!」

「えっと……きみは確か去年話した陸上部の……」

男性客A「うん。来年は仲間と来るって言っただろ。みんなウチの陸上部。」

「ああ。そうなんだ。 そんな約束したかな……」

「ふふっ。文化祭が颯砂くんの陸上教室みたいになってきちゃったね。」

「ああ、嬉しいよ。オレ、ちょっといってくる。」

(颯砂くんは有名な選手だもんね。文化祭の名物になりそう?)

 

(今年も盛り上がってるなぁ……校外からのお客さんも多いし)

女性「あら……『ちびっこかけっこ教室開催!』だって。」

男の子「わーい、行く行く!」

(かけっこ教室……?)

「もう今年はさ、運営に届けだして、かけっこ教室やるんだ。」

「ふふっ、そうだったんだ。さっき男の子が、うれしそうだったよ。」

「マジで?その子が運動会で1位になれるように教えてくる。」

「うん、がんばってね。」

(颯砂くん、毎日厳しいトレーニングしてるもんね。楽しく、子どもたちと走れてよかった!)

 

クラス展示

1年目:和風喫茶

「お抹茶とみたらし団子、お待たせしました。」

(ふぅ……こんなにお客が来るなんて想像してなかった……)

「◯◯、団子のにおいに誘われてきた。」

「颯砂くんだ! いらっしゃいませ!」

「へえ、浴衣か。いいな。においにつられてきて良かった。団子は食ってからだけど、浴衣は文句なしかな。」

「やった。じゃあ、お団子とお茶を試してみて?」

「オッケー。じゃあ、おすすめセットでよろしく!」

「はーい。 ご注文いただきました!」

 

「ごちそうさまでした。おかわり、ください。」

「あ、気に入ってくれた?」

「うん、香ばしいし、いくらでもペロリだよ。」

「やった!」

「きみの働きぶりも楽しそうで、こっちまでウキウキしてくる!次もおすすめセットで!」

(颯砂くん、気に入ってくれたみたい! 大成功!)

 

2年目:ダンボール迷路

 

吹奏楽

1年目:楽曲演奏「クラシック」

(もう少しで始まっちゃう……どうしよう、緊張してきた……)

「◯◯。」

「あ、颯砂くん…… もうすぐ本番なんだ。」

「少し早めに来てよかった。緊張しちゃってるじゃん。」

「う、うん。緊張したらダメって思うとなおさら……」

「わかる。オレも試合前、そうなることあるよ。」

「颯砂くんでも?」

「うん。そんな時はさ、オレは自分の好きな音楽聴く。」

「でも、今は音楽聴けないよ……」

「何言ってんだよ?これから、きみが自分で演奏するんだろ?」

「え……あっ、そっか。」

「うん、ほら 早く音楽聴きたくなってきたろ?」

「ふふ、うん!」

「オレも楽しみにしてる。じゃな。」

(颯砂くんのおかげで演奏が待ち遠しくなったかも……? うん、やれそうな気がする!)

 

(良かった! 初舞台、大成功みたい!)

「やったな! 観客総立ち。」

「ありがとう、颯砂くん!」

「クラシックっていいんだな。オレ、結構好きかも。きみのおかげで、音楽の趣味が増えたかもな?」

(颯砂くん、気に入ってくれたみたい。やったね!)

 

2年目:楽曲演奏「ゲームミュージック
3年目:楽曲演奏「フォース・ハート」

 

園芸部

1年目:ハーブティー

(今年は自家製ハーブティーとクッキー。喜んでもらえるといいけど……)

「◯◯、遊びに来た。」

「ようこそ、いらっしゃいませ~!」

「へえ、エプロンがいいじゃん?」

「でしょ?みんなでお揃いにしたんだよ。」

「うん。家庭的って感じで、落ち着くな。」

ハーブティーも、リラックス効果のあるブレンドにしているんだよ。」

「なるほど、相乗効果だな。んじゃ、おすすめセットをください。」

「では、お客様こちらへ。ハーブティーセットお1つ、入りました。」

 

「ふぅーん。リラックス効果か……なんかそんな感じしてきたよ。」

「颯砂くん、お口に合いました?」

「うん、爽やかでいいな。きみのおかげでハーブティーの良さを知ったよ。」

「ほんと、やった!」

「なんだかほっとするし、美味しい。オレの中で、ハーブティーはきみだな。」

「え?」

「ふぅー…… ほっとして、美味しい。 ほら、きみだろ?」

(えーと……美味しい? 颯砂くん、すごく喜んでくれてるよね。とりあえず成功かな……!)

 

2年目:ハーブティー&野菜即売会
3年目:オーガニックカフェ

 

生徒会執行部

1年目:文化祭運営「雑用、連絡係」

(ふぅー、重かった。もしもの時の消火用バケツは、各教室の前にっと……)

「◯◯。オレが持つよ。」

「あ、颯砂くん。 でも……」

「生徒会の仕事って、こんな力仕事もあるのか……」

「うん、運営全般だからなんでも。」

「とは言えさ、こんなの何個も運ぶなら、オレに言えって。……ったく、水くさいな。」

「え?」

「バケツだけに? ……ってだめか?」

「ふふっ!」

「おお、笑ってくれた。んじゃ、あとは運んどく。力仕事あったら言ってよ。」

(颯砂くん、やさしいな……)

 

「ふぅ……」

「颯砂くん、大丈夫? ごめんね、手伝ってもらってばっかりで……」

「ううん。きみの方が全然動けてるじゃん。こんな体して、情けないよ。生徒会の仕事がどれだけ大変かわかったよ。いつもありがとうな。」

「颯砂くん……」

「クタクタだけど、まだきみと出店まわる元気ぐらいはあるよ?」

「うん!」

(やった、生徒会の仕事も大成功! 颯砂くんにも褒められちゃった!)

 

2年目:文化祭運営「資材担当」
3年目:文化祭運営「フロア担当」

 

手芸部

1年目:カジュアルウェア

(ギリギリ仕上がったけど、いよいよランウェイ……緊張しちゃうな……)

「◯◯。ファッションショーの準備、どう?」

「あっ、颯砂くん……」

「少し緊張してる顔だな?」

「う、うん。服を作るのは慣れたけど……ステージに上がるなんて、緊張するよ。」

「そっか、そうだよな。モデル部じゃないし。でもさ、きみが作った服、きみが一番似合うに決まってる。他の人がモデルやるより、絶対いいよ。」

「颯砂くん……」

「だから、自信もって行ってきなよ。」

「うん、ありがとう!」

(颯砂くんに勇気をもらったし、絶対成功させなきゃ!)

 

(よかった、なんとか成功したみたい!)

「おめでとう。やったな。」

「うん、ありがとう。」

「きみが登場した時、拍手と声援が一番大きくなったよ。」

「颯砂くんのおかげかな?」

「いや、違うって。オレは大人しくしてた。観客のみんなが、きみに魅了されたって証拠だよ。やったな!」

(颯砂くんに褒めてもらえた!うれしいな! 大成功)

 

2年目:パーティードレス

(初めて作ったドレス。自分では気に入ってるんだけど……)

「◯◯。」

「あ、颯砂くん! どうかな、初めてのドレス。」

「いいよ。もうお姫様じゃん!」

「えっ?」

「あれ? ダメだった? でも、それ以外思い浮かばなかったよ。」

「ありがとう…… うれしいけど、恥ずかしいよ。」

「全然。どこに出しても恥ずかしくない、立派なお姫様だって。」

「あ、もう行かなきゃ。」

「よっし、オレもいい席で応援するぞ。いってらっしゃい!」

(よーし、颯砂くんの期待に応えなきゃね!)

 

(よかった、なんとか成功したみたい!)

「◯◯、おめでとう。」

「颯砂くん、見ててくれた?」

「もちろん。きみから目が離せなかった。一瞬ステージが、パーティー会場に見えたくらい。」

「ほんと?」

「何で疑うんだよ。オレだけじゃなくて、周りの観客も、お姫様みたいだって言ってたよ。」

「やった、うれしいな。」

「よかったな。一回だけなんてもったいないから、クリスマスパーティーでも着てきなよ!」

(やった、大成功!颯砂くんに褒められちゃった!)

 

3年目:ウエディングドレス

(今年は手芸部伝統のウエディングドレス。キレイにできたと思うけど……)

「それ、花嫁さんだよな?」

「あっ、颯砂くん。今年はウエディングドレスなの。」

「もう優勝、決まりだよ。」

「優勝?」

「他の人には悪いけど、こんだけキレイでカワイイんだから、もうきみが優勝。」

「勝ち負けはないよ? でも、ありがとう。」

「あ、始まる。」

「颯砂くんのおかげで自信がついたよ。ありがとう。行ってくるね。」

「うん、ウイニングランのつもりで行ってきなよ。」

(ふふっ、気持ちが楽になったかも。よーし、がんばるぞ!)

 

(やったー! 大成功!!)

「◯◯、おめでとう。大成功じゃないか!」

「颯砂くん、ありがとう!」

「きみのこと知らないやつまでザワザワしててさ、
 あの子誰? みたいな感じだったよ。」

「ええ?」

「きみのショーの成功は嬉しいけどさ、なんだかさ、複雑な気分だった。ま……でもこうやってまた、花嫁さんを近くで見られたからいっか?」

「このドレス、手芸部にしばらく飾るから、いつでも見に来てね?」

「ドレスだけ見てどうすんだよ。オレが観たいのは中身だって。」

「なかみ……?」

「……そうじゃない。ふ、服だけ見ても仕方ないってことだよ。
 あっぶね。なに言ってんだオレ。」

(颯砂くん……? でも、すごく喜んではくれたみたい。三年間手芸部でがんばってよかった!)

 

ローズクイーン

「◯◯!ローズクイーンおめでとう!」

「ありがとう。でも、信じられないよ。」

「え?きみ以外は全員、当然って思ってるよ。まあ、オレはちょっと悔しいけどね。」

「えっ……颯砂くんもローズクイーンを……?」

「そう、オレも――――ってコラっ。そんなわけないだろ! オレはキングオブアスリートの称号を狙ってるだろ?でも、先にきみがクイーンになっちゃった。」

「ふふっ、そっか。」

「クイーンの隣には、キングがいるべきだろ。だからさ、オレも急がなきゃな?」

「え?」

「オレも頑張るぞってこと。とにかく、おめでとう!」