校内出歩きイベント 花椿ひかる編
ひかるの活躍
花椿ひかる
1
「あれ、あそこにいるのは――」
「ふふーん♪」
「ひかるさん!ずいぶんとご機嫌だね?」
「あっ、マリィ。園芸部でね、すっごくカワイイお花もらったんだ♪ でさ、教室って殺風景だから、カワイくデコってみたら大好評!ひかる超うれしい♡」
「へぇ……!」
「よかったらマリィも見に来てね。サリュ!」
(あとで見に行ってみようかな。……ん?)
園芸部員「花壇から花がなくなってるって!誰だよ、勝手に持って行ったの!?」
(えっ? まさか……)
2
「う~ん、今日もいい気分♪」
「あっ、ひかるさん!機嫌がいいみたいだね。」
「美術部のステキな絵をゲットしたから部室に飾ったらさ、すっごくオシャレになってひかる超ご機嫌♡」
「へえ、そうなんだ!ところで、この間のお花は――」
「あ、もう一枚もらってこよ。サリュ!」
「行っちゃった……」
美術部員「美術部の部室に置いてあった絵画が見当たらない?どこかにまぎれてるんじゃ……?」
(デジャヴ……?)
3
(あれ、あそこにいるのって――)
美術部員「ありがとう、花椿さん!本当にうれしい……!」
「ううん、ひかるじゃなくてアナタの作品が魅力的だったんだよ♪」
園芸部員「花椿さん、本当にすごいよ!おかげで部員が増えたんだ、ありがとう!」
「やったね♪ すっごくキレイなお花だったよね~。ひかるも気に入っちゃったもん♡」
園芸部員「本当に疑って悪かった!まさか、御影先生が花をキミに渡してたなんて知らなかったから……」
美術部員「私も……まさか、廃品回収場所の近くに作品が置かれていたなんて……逆に絵を助けてもらっちゃった。」
「大丈夫、ひかる気にしてないから。お花も絵も幸せを運んでくれてみんながハッピーになれたね♪……あっ、マリィ!」
「立ち聞きするつもりはなかったんだけど……ごめんね、わたしも少しひかるさんを疑ってた。」
「やだ、マリィまで~?まっ、気にしないけど♪ アハ♡ ハッピーエンドってことでよかった!」
(うん、ひかるさんのおかげでみんなが幸せになれたみたい!)
GORO先生登場
1
「じゃアタシ、そろそろ帰るわね。」
(えっ? この声って……)
「やっぱり!ひかるさんと……GORO先生!?」
「ハ~イ、マリィ!」
「マリィ?へぇ、マリィね……カワイイじゃない。」
「エヘ♡ ひかるが名付け親だよ♪」
「そう。さすが、いいネーミングセンスしてるワ。アラいけない。ホントにそろそろ帰らないと。じゃあね~。」
「GORO先生がどうしてこんなところに……?」
「あれ?たまに侵入してるけど。マリィは見たことなかったんだ?まっ、一応はば学のOBだしねぇ。関係者って言えば、そうなるのかな~?」
(GORO先生、はば学の理事長と知り合いって聞いたことがあるけど……会いに来てたのかな?)
2
「ンもう!一鶴ったら、どーして着てくれないのかしら!」
「あー……おじさまのファッションデザインは着る人を選ぶからねぇ……」
(この声は……)
「ひかるさん。GORO先生も、またいらしてたんですか?」
「どーも。アタシの新作の試着をしてもらおうと思って来たんだけどネ。」
「えっ、ひかるさんにですか?」
「ちがうよ~!おじさまの新作はメンズ。友だちの理事長に毎回試着してもらうんだって。」
「そっ。なのにアイツ、服を見るなり逃げちゃったのよ!もうっ!」
「いったい、どんなデザインなんですか?」
「スゴイよ~?レーシーでフワフワのショートパンツにゴールドのライダース。ひかるたちのモデルのお仕事でもなかなか出会えないデザインだよぉ。」
「そんじょそこらにあるデザインなんてアタシの世界には必要ないの。じゃあね、アデュー!」
「いや~……おじさまが世界随一ってのもわかるなぁ。誰も思いつかないもん。あれは。」
(GORO先生のデザインした服、ちょっと見てみたかったかも……?)
3
(あっ。あそこにいるのは……)
「ひかるさん、GORO先生!」
「マリィ!」
「あら、マリィ。フフ!」
「えっ、GORO先生までその呼び方……」
「いいワねぇ、若いって。こんなことだけでも楽しくなっちゃう。」
「アハハ!おじさまだってじゅうぶん若いよ~。ねっ、マリィ。」
「たしかに。GORO先生って、何歳なんですか?」
「 !! 」
「…………」
「えぇと……なんでもないです。」
「そう、いい子。またね。」
「……ハァ。ビックリしたぁ。」
「もしかして……」
「そうそう、おじさまに年齢の話はタブー。まっ、理事長と同級生なんだから、わかりきったことなんだけどさ?デリケートなトコみたい。でも……ひかるたちが小さいときから全然変わってない気がするんだよねぇ。……あっ!じゃあ、ひかるたちもそうなるのかな?不老不死!」
(それはムリだと思うけど……でも、GORO先生ってたしかに年を取らなそう……)
キャラ弁
1
(あっ。あそこにいるのは……)
「たぶん……ウサギ!」
「……違う。シロクマ。」
「エ~!? だって、耳長いし、目が赤いじゃん……」
「ひかるさん、みちるさん!」
「あっ、マリィ!」
「ねえ、何のお話?」
「お弁当のこと!ねっ、お姉ちゃん。」
「いま私、キャラ弁を作るのにすっかりはまっちゃって。」
「そうそう。動物シリーズで作ってくれるんだけどなかなかの難易度なんだよねぇ。」
「難易度?」
「キャラの動物。ひかる、一度も当てられたことなくて。」
「だって……お菓子とかそういうのは得意だけど、お弁当のおかずで動物を作るの、難しくて。」
「てことでさ、当たるまでキャラ弁動物シリーズを続けるの。もちろん、味はおいしいよ♪」
(なるほど。でも、シロクマがウサギに見えるってどんなキャラ弁だったんだろう……)
2
(あ。ひかるさんとみちるさんだ)
「今日のは自信あるんだけど……」
「ひかるも自信あるよ!ズバリ…… ニワトリ!」
「……白鳥。」
「エェッ!? だって、アタマにトサカあったじゃん!」
「ひかるさん、みちるさん! もしかして、今の話は……」
「ハ~イ、マリィ♪ 今日もキャラ弁当てっこ中だよ。」
「でも、またダメだった。あの白鳥、かなり自信あったんだけどな。」
「ていうか、首短い白鳥って…… アタマの上にあった赤いの、なに?」
「太陽。」
「あちゃ~!それ、白鳥の湖にはいらないパーツだよぉ。ねえ?」
(どんな白鳥だったんだろう。すごく見てみたい……)
3
「あっ、マリィ!」
「またこの時間に会っちゃった。」
「ふふ、キャラ弁の答え合わせ?」
「そう。もう……今日もダメなら料理教室に通おうかな……」
「まあまあ!じゃあ、答え、行くよ~?」
「いらっしゃい。」
「今日は…… どくろクマ!」
「正解!よかった……」
「みちるさん、おめでとう!」
「ありがとう、マリィ。」
「当てたのひかるなんだけど……ま、いっか~。……ていうかさ、茶色い動物にホネがむき出しになってたら思い当たるもの、1つしかないし……」
「えっ……?」
「なんでもないよ?お姉ちゃん、動物シリーズ卒業だね!次はなんにしよっか~?」
「じゃあ……お花とかどう?」
「うわぁ……さらに難易度高そっ!」
(ふふ!二人は本当に仲がいいんだなぁ)