大接近 七ツ森実

f:id:nicoko1018:20211229182333j:plain

 

1回目

「ちょ……待て!それな。度を超すとロクなことにならないぞ。」

「え?」

「あぁ〜もう……無意識が一番アブねーよ……いいか。女子が男子をムヤミに触らない。」

「はい……」

「う……そんなふうに落ち込まれると俺のほうが悪いみたいだし。べつに俺は……いいんだけどさ。ムヤミに、無邪気に、誰にでもはダメだ。」

「うん。」

「ん、わかればよし。じゃあな。」

(七ツ森くんを怒らせちゃったみたい……)

 

2回目

「待てっ!」

「はいっ!」

「前に俺が注意したコト!はい、言って。」

「えぇと、ムヤミに人を触らない……?」

「違う。そうやって無邪気な顔して、女子が男子のカラダを触るな。」

「はい……」

「……あ。でも『俺はいい』って言ったか、俺……それだな。ややこしい言い方がいけなかった。つまりだな……スキンシップはいいんだけど、度を超すと、俺もほら、妙にドキドキするし?さっきみたいにトドメっぽく触られると、俺の中でなんかが壊れそうなんだわ……」

「わたし、気をつけるから。ごめんね?」

「……や、言いたいことをちゃんと伝えられない俺も悪い。ごめんな……じゃ。」

(七ツ森くんを悩ませちゃったみたい……)

 

3回目

「あー……もうっ!」

「 !! 」

「俺だってスゴク我慢してんの。わかる?」

「えぇと……」

「あー、もー……   あ〜……………」

「ごめんね、もう触らないから。」

「……………女の子ってズルいよな。『ゴメン』1つで男ゴコロをコントロールしてさ。俺だって……イヤじゃないんだ。できれば、俺も――やめとこ。なんか情けなくなってきた。」

「七ツ森くん?」

「ちょっと壊れかけてきてんのかな……じゃ、ここで。」

(七ツ森くん……?)

 

4回目

「ハー…… カウントダウン、スタート。」

「え?」

「理性がブッ飛ぶカウントダウン。もう限界だから。
 あんたが俺を壊した。覚悟しろ。」

「あの……ごめんね?」

「ハイ、ソレもっとダメなやつ。あおるだけー。」

「う……七ツ森くん、いつもと違うよ?」

「あんただっていつもと違うじゃねーか。学校じゃ、あんなコトしねーだろ。デートのこのときだけ、なんで豹変すんの?俺も同じことして応えればイイ?」

「それは……」

「…………もう壊れてるな、俺。じゃあ……」

 

「次は本当に……ダメかも。」

(ダメって、どういうことだろう……)


5回目

「言ったよな?」

「え?」

「ベタベタするソレ。俺はもう、壊れてるって。次はもうダメだって、言ったよな。あんた、俺をナメてんだろ。
俺は、本気なんだ。」

「七ツ森くん!?」

 

「バカ。 あんたのこと、マジで大切にしたいと思ってんのに……こんなんじゃ俺、自信なくなる。なあ、わかれよ……」

「七ツ森くん……」

「…………」

「…………」

「お望みなら、これ以上のコトもできますが?」

「それは……」

「プッ!ホント、あんたってヘンなヤツー。」

「うぅ……」

「今までの仕返しだ。じゃあな!」

(わたしはすごくドキドキしちゃった……)


6回目

「…………」

「……怒ってる?」

「……いや。」

「ホントに?」

「ああ。 慣れた……っていうか、もう、あきらめた。」

「?」

「この間の仕返し、覚えてる?」

「えっ?」

 

「ハァ……」

「うー……七ツ森くん、くるしいよ。」

「だろうな。全力で抱きしめてるから。」

(どうしよう、ドキドキが聞こえちゃいそう……!)

「…………」

 

「はぁ……」

「顔、真っ赤。恥ずかしいの?ドキドキしてんの?」

「どっちも!」

「ハハッ!ざまーみろだ。」

「七ツ森くん、いじわるだ……」

「イジワルはあんた。本当はスキなクセに。 これからは好きなだけ触ってイイよ。俺もこのやり取り、させてもらうから。お互い合意のもとってコトで。OKだよな。じゃ。」

(お、OK……かな?)


7回目以降

「仕返し待ちってコトだよな?OK?」

「えぇと……ごめんね?」

「はいはい。俺の負けで今夜もおしまい。……ハァ。」


2択会話

「それってさ、甘えてるサイン?」

 うん……

   「あ……そ。
    そう素直に答えられると、どう返していいやら。」

 七ツ森くんをイジりたいだけ!

   「イジるってレベルじゃないし。
    まぁ……イヤじゃないから許す。続きをどーぞ。」

 

「……なあ。こんなトコ、誰かに見られたらヤバいだろ?」

 ……いけないコト?

   「エッ!? 俺の気にしすぎ?俺も……したほうがいいの?」

 わかった、やめる……

   「エッ!? や、べつにそういう意味じゃ……続けてください。」

 

「あぁもう!あんたのそういう無防備なトコがだな……」

 七ツ森くん 守ってくれるよ?

   「なる……俺はあんたのナイトってコトね。
    なら、ウチまで無事送り届けなきゃな……」

 そんなことないもん!

   「なくないの。あんたみたいなどピュアの
    無自覚ちゃんには俺がちゃんと教えてやるか……」

 

「男はみんなオオカミ。どういう意味か、わかってる?」

 七ツ森くんはライオン♡

   「そっち行っちゃったか。
    でもソレ、俺的には大当たり♡」

 がおーっ!

   「はい、ふざけなーい。あんたは子羊サンのほうだから
    オオカミに食われないようにな?」

 

「こーら、服を引っ張るなって。なに?」

 もっとお話したくて……

   「じゃあ直接話しかけてよ。くすぐったいから。」

 もっと触れたくて……

   「え?あ、そう。まあ、ほどほどになら続きをドウゾ……」