ナンパ撃退 白羽大地

公園入口・はばたき駅

（白羽くん、まだかな……）

男「この世界の本当の姿、教えてあげるよ。」

「えっ？　わたし、人と待ち合わせしてるんで……」

男「残念、そいつには教えられない。キミだけ。さ、行こ。」

「いえ、結構です……」

男「迷ってるんだね。その友だちをとるか、好奇心に従うか……」

「トモダチやない。」

「えっ？　白羽くん！」

「そのコはオレの彼女や。」

「！」

「ごめん、遅なった。大丈夫？」

「う、うん。」

男「はぁ。妙なコブつきか？」

「オレはコブやけどな、アンタは目の上のタンコブや。痛いの痛いの飛んでけー！」

男「と、飛んでけ？なんだそれ、痛いのはどっちだよ。」

「ハハ！こっちの人も案外ノリがええんやね？」

「ふふ！」

「……なんもなくてよかった。今度は気ぃつけるし、かんにんな。」

駅前広場・バス停

（白羽くん、まだかな……）

男「あ～、ダメダメ、ＮＧ！　眉間にシワ寄せてるとクセになるんだな。はい、スマイルカモ～ン！」

「 !? 」

男「イイネ、イイデスヨ～！　ハイ来た！大女優の金のタマゴ、発見！事務所へごあんなーい――」

「せわしない人やなァ……何言うとるのかチンプンカンプンや。」

「あっ、白羽くん。」

男「オッ！ベビーフェイス男子もキター！」

「あかん、わからへん。通訳して？」

「あ……ごめん。わたしもちゃんと聞いてなかった。」

「ならええか。もう行こ。」

男「えっ？ちょっと待ってよキミたち～！」

「おっちゃん、かんにんな。オレたちこれからデートやから。ほんならー。」

男「シーユーアゲイン！」

「あ、それはわかんで！でももう会わんでええよー。」