ときめき会話 はばたき山 颯砂希

 

はばたき山:スキー

「上級コースにチャレンジしてみる?」

「その上ないの?」

「お、よく知ってるじゃん。あるよ。」

「ほんと?」

「ああ、無茶苦茶いい景色なんだ。」

「へぇ!見てみたい。」

「じゃあ、その前に上級者コースで練習だな。」

「ふふっ、はーい。」

「こっちのリフトだ!」

「うん、上手くなってる。この分だと、いつか一緒に達人コースいけるよ。」

「やった!ちゃんと連れてってね?」

「ああ、もちろん!約束だ…… 連れてくよ、きみを一番高いところまで。」

「颯砂くん……」

(なんだろう、スキーのことだけじゃなく聞こえるような……?)

 

動物園

動物園

「へえ。先月生まれたばかりのトラの赤ちゃん、公開中だって。」

「撮影会もあるらしいね。」

「生まれたばかりなら、ゆっくりさせてあげたいけどな。」

「そっか。颯砂くんて優しいね?」

「ええ?知らなかった?」

「ふふっ、知ってた。」

「きみもオレの中では一番優しい人かな。」

「えっ……」

「ぷっ、はははっ!」

「ええ?」

「オレたち、チーターの檻の前で何やってんだろうな?チーター親子も迷惑そうだから、行こう。」

「ふふっ、うん!」

 

グッズショップ

「はばたき山動物園のマスコットキャラって、初代園長らしい。」

「出たがり屋の園長さんだね。」

「そうかもしれないけどさ、何もなかった山をこんな施設にしちゃうんだぜ。」

「うん、確かにすごい人だね。」

「こうやって大勢を楽しませてるのもすごい。そんな人にオレもなりたいな。」

「颯砂くんも、みんなを驚かせたり楽しませたりするすごい選手だと思うよ?」

「そっか、そうなれるように頑張る……そしたらオレもなんかマスコットキャラにしてもらえるかな?」

「ふふっ、颯砂くんならあの馬のぬいぐるみみたいなキャラクターはどう?」

「お、早く走るデカイ馬、サラブレッドか……いいな。」

「うん、おみやげに買って帰る?」

「じゃあ、きみに似たぬいぐるみも見つけよ!オレが馬なら、きみは……ポニー?」

(えぇと……馬しばり?)

 

わんにゃんハウス

「いつか犬を飼ってみたいよな。」

「飼うのって大変だよ?」

「わかってるよ。知り合いの犬たちを散歩するだけでも大変だもん。……でもさ、大変な分、楽しいとも思う。一緒に走ったりさ。」

「そっか。でも颯砂くんのランニングについてこられるワンちゃんいるかな?」

「いるいる。いるどころか、オレが全然負ける。」

「え? そうなの?」

「犬種によっては時速70キロで走る。人間は、世界チャンピオンでも時速40キロくらい。」

「そうなんだ。じゃあワンちゃんに勝てれば颯砂くんは世界チャンピオンだね。」

「おお、確かに。じゃあ、トレーニングパートナーとして犬を飼おうかな?」

「ふふっ、いいかも?それでワンちゃんと毎日勝負だね。」

「じゃあ毎朝の散歩は、きみも一緒に行かないとな。証人として。」

(ふふ、颯砂くんと毎朝一緒にワンちゃんの散歩か……楽しそう)

 

はばたき城

天守

「きみ、ここからの景色好きだよな。」

「颯砂くんと見られるなら、どこでも♡」

「マジで言ってる?」

「うん。」

「じゃあさ、なるべくたくさんの景色を二人で見よう。同じところ行くの、もったいないだろ。はばたき城は今日で最後。次は別のところ、その次はまた別のところ。」

「でも、一つの場所でも季節とか時間で、景色変わるよ?」

「なるほど……季節の差も考慮して、『きみとのデート年間ローテ』考えるか。効率と満足度を同時に満たす組み合わせと順番か……」

(ええっと……颯砂くん、トレーニングメニューみたいになってるよ?)

 

展示コーナー

「ん?『特別展示・古文書大集合』?」

「昔の借用書だって。」

「きみがこういうのに興味あるって知らなかった。オレには難しいよ。」

「興味って程じゃないけど……颯砂くん、退屈だった?」

「正直、借用書には興味ないな。でも、借用書に興味を持つきみは面白い。」

「え?」

「だってそうだろ?借用書ときみ、全然接点ないじゃん。」

「もう、借用書じゃなくて古文書だよ!」

「ごめんごめん、古文書な。ここに来なければ、新しいきみの一面を知ることもなかった。そう思えば、古文書コーナーもギリセーフ。」

(ギリセーフ……?)

 

遊園地

ジェットコースター

ミニスカート追加コメント

「もう、先に言っとく。ごめん!」

「え?どうしたの?」

「短いスカートって……オレ、自信あるよ。絶対見る。」

「ジェットコースターってさ、やめ時がわからないよな?」

「1回で十分だよ?」

「え、そんなに嫌だった?」

「ううん。何回も乗るほどじゃないってだけだよ。」

「そうか、でもちゃんと言ってくれよ?オレ、別にコースターじゃなくても、大概は楽しめるからさ。……ああ、あんまり乗り気にならないところもあるけどさ。」

「ふふっ。」

「笑ったな?そうだよ。お化け屋敷とか。でも、それはそれ。きみと一緒なら、なんだっていいよ。」

「わたしだって。」

「じゃあ、お互い苦手は一回ずつって事で。紳士協定。」

「はーい。」

「よし、じゃあ次は……」

(颯砂くん、いつも気を遣ってくれてありがとう)

 

観覧車

「ほっ、やっと帰ってきたな。」

「無理しなくていいのに……」

「無理じゃなくて、困ってるって感じかな。」

「困ってるの?」

「狭いところで体は窮屈。でも、目の前にはきみの笑顔。苦手と好きの同時攻撃だぜ。15分間も。」

「ええっ!じゃあ、今度からどうしたらいい?」

「オレの気持ちは白状したから、もう、次からは大丈夫。」

「え?」

「だからさ、次からは『この人困ってるんだなー』って思ってればいいよ。」

「ふふっ、そんな風に言われたら、困った顔の颯砂くん見て笑っちゃうよ。」

「もう、笑ってるじゃん。それにきみの笑顔が増えれば、好きの割合が多くなるから助かるよ。」

(颯砂くん……)

 

バンジージャンプ

「オレ、飛ぶ瞬間になぜかきみの顔見ちゃうんだよな。」

「いじわるだなぁ……」

「そっか、きみは怖がってるんだもんなぁ。ごめんな。オレ、そういう無神経なところあんだよなー。」

「そんな責めるつもりじゃ……颯砂くんは、いつも気を遣ってくれるし優しいよ。」

「でもさ、実際、昔よく言われた。」

「え?」

「子どもの頃、鬼ごっこやっててさ、オレが鬼やるとみんな泣くんだよ。オレ、足も速かったしデカかったし、本気で追っかけられると怖いらしい。」

「ふふっ。」

「ああ、笑ったな?」

「ごめんなさい。」

「こんなガタイでスポーツやってるから、なんかズレてるとこあるのは自覚している。だからさ、おかしかったら言ってくれよ。きみが見ててくれれば、泣くまで追いかけることもしないと思う。」

「ふふっ、もう鬼ごっこはしないでしょ?今やったら、みんな一瞬で捕まっちゃうし。」

「じゃあ、きみにいじわるなことしないようにだけ、注意しとくよ。」

(颯砂くんだけの特別な悩みなのかも……)

 

コーヒーカップ

「よっし!今日はなんとか耐えられた。」

「手加減してあげたから。」

「はいはい、きみの優しさに感謝するよ。」

「ふふっ、よろしい。」

「こら、調子乗るな。でもさ、遠心力使う投てき競技の経験あるけど、これは次元が違う。きみは宇宙飛行士とか戦闘機乗りとか、そっちの素養があるのかもな。」

「ええ?」

「それとも……ただ無邪気なだけか?」

「もう……」

「前者のきみも、後者のきみもオレは好きだな。」

「宇宙飛行士のわたし……?」

「ちょ……おい、引っかかるのそこかよ。きみが好きって方に感想は?」

「うん、うれしいな。」

「はい。喜んでもらえてよかったです。もっと回転に強くなって出直すよ。」

(ふふっ、颯砂くんに好きって言ってもらっちゃった!)

 

お化け屋敷

「でかい音で脅かすって、反則だよな?」

「音? したかな……?」

「出たな?もう引っかからないって。きみだってビクって、なってたじゃん。」

「う、ばれてたか。」

「それより、古井戸の奥に小さな椅子あったよな?オレの目線じゃないと見えなかったかも。たぶんお化けの休憩用。」

「ふふっ!井戸の底から出てくるんじゃなくて、井戸の後ろに座ってるんだね。」

「ああ、スマホでもいじってるんじゃね?」

「急に怖くなくなってきた。」

「オレみたいなデカイ客、想定してなさそうだから、もっと面白いのが見つけられるかも。もう一回行ってみよっか?」

「見つけてはいけないものも……あるかもよ?」

「おーい、やめろって。やっぱりもういいや。他行こう!」

(ふふっ、お化け屋敷が苦手な颯砂くん、ちょっとかわいいかも!)

 

ナイトパレード

「パレードの時間、押してるらしい……」

「このまま朝までオールする?」

「それさ、オレを困らせようとしてんだろ?残念。オレ、そういうノリ意外といけるんだぜ?」

「えっ……?」

「家族と泊まりで山や海でキャンプしたりって方だけどさ。」

「そうなんだ?楽しそう!」

「うん、楽しいよ。きみとだったら、もっと楽しいだろうな……あ、いや、キャンプだよ。きみの言ってる、オールの方じゃなくてさ。」

「ふふっ、うん!いつか行きたいね。」

(颯砂くんと一緒なら、どこでも楽しいよ?)

 

牧場

牧場

「おみやげ売り場も併設されてるらしい。」

「ポニーに乗れるみたい。」

「うん、うん。」

「颯砂くん、どうしたの?」

「え?ああ、きみがポニーに乗ってるの想像してた。だいぶカワイイ画になってたよ。」

「ええ?どういう想像してたの?」

「きみを乗せたちょっと汚れた白いポニーがさ、とぼとぼ歩いてんだ。これが現実に見られたらカワイすぎるだろ。」

 

「いるいるこっち!ちょっと汚れた白いポニーがたくさん!」

(ええっと……颯砂くんのカワイイって、喜んでいいのかな……?)

 

キャンプ場

「ひとりでキャンプしてる人もいるんだな。」

「颯砂くんもひとりで来たかった?」

「どうした?なんかあったのか?」

「ううん。颯砂くんがひとりのキャンプに興味ありそうに見えたから。」

「そんなんじゃないって。ほら、キャンプだけじゃなくてさ、他のなんだってきみと一緒の方が楽しいって。」

「……うん、ごめんね?」

「ああー、ひっかけたな?きみそれ時々やるんだよ。キャンプ場パターンもあんのな。覚えとく。」

「ふふっ、でも、ありがとう。」

「だーめだ。バツとして、次は二人で泊まりキャンプ!」

「ええっ!?」

 

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