ときめき会話 はばたき山 風真玲太

 

はばたき山:スキー

「麓はいい天気だけど、上の方はどうだろ?山の天気は変わりやすいっていうからな。」

「女心もだよ……」

「ちょっと待て、おまえそれ自覚あんの?キョロキョロして、何でも首突っ込んで、好奇心が服着て歩いてるみたいな自覚。」

「えっと……」

「出た。えっと……じゃねーんだよ。こっちの身にもなれって!」

「風真くん怒ってる?」

「怒ってない。」

「怒ってるよね?」

「ふぅー、怒ってませーん。ただな、おまえの唐突に放り込んでくるやつ、時々クリティカルなんだよ。」

「ごめんなさい……もう、言わないよ?」

「あぁー、もういい。やっぱそのままでいいから。
 はぁ……勝ち目のない戦いだった……」

(勝ち目って、何に対して???)

 

動物園

動物園

「ここ来るとさ、動物を見てるのか、動物に見られてるのか、わかんなくなるよな?」

「美味しそうって思われてるとか?」

「確かに狙われそう。おまえ、サバンナじゃ生き残れそうもないな。」

「え、なんで?」

「捕まえやすいのから、狙ってくらしいから。ぼんやりしてるおまえみたいなのはまさに標的。」

「もう、そんなことないよ。わたしはサバンナでも強く生きます。」

「そっか、そうだな。俺よりずっと上手く生きていくかも。天敵の生き物にも好かれそうだし。」

「ええ?」

「だって、自然とおまえの周りにはみんなが集まってくるし、それに、おまえに苦手な人いる?」

「えっと……苦手な人……」

「な、いないだろ? それはそれで、こっちにとっては問題なんだよな……」

(風真くん、なにか困ってる?)

 

グッズショップ

「シモンでもそうだけどさ、人気商品ってちゃんと理由があんだよな。」

「ラッコのコースターかわいいかも♡」

「そうか?なんかさ、置いたコップを貝殻で割りそうだよな。
 あの、オオカミの形したハサミとかは?」

「わぁ、ホントだ!かっこいいかも。」

「いや、やっぱりよく見ると、危ないな。うん、危ない。だから、おまえは禁止な。」

「もう……おみやげ禁止ってどういうこと?」

「いいんだ。おまえには、このクマの消しゴムがちょうどいい。」

「そういえば、あそこのかわいいクマのぬいぐるみ……似てるかも?風真くんに。」

「かわいいって、おまえ……まあ、いいけどさ。 すみませーん。このクマの消しゴムと、あそこのクマのぬいぐるみください。」

(風真くん、クマだけ特別扱い?)

 

わんにゃんハウス

「なんか犬たち、おまえの方ばっかり寄っていくよな。」

「エサもってたからかな?」

「なんかさ、エサよりおまえの手をなめてたよな、あのデカい犬。」

「そうかな?」

「間違いない。俺、見てたから。なんかおかしかったよ。中に人でも入ってんじゃね?」

「ふふっ、そんなことないよ。」

「そんなことわかってるけどさ、気に入らないな、あのオス犬。」

「ワンちゃんなんだから、仕方ないよ。それに、女の子だったよ?」

「おい、なんでそんなことわかるんだよ?テキトーなこと言うなよ。」

「キャサリンって名札ついてたから。」

「え……そ、そうか。うーん、まあなら、仕方ないかな。とはいえ、気安く舐められるとなんか悔しい……」

(風真くん、すごくきれい好きなのかな?)

 

はばたき城

天守

和柄ファッション追加コメント

「今日のファッション、ここにピッタリだな。狙ったのか?そういう遊び心っていいよな。」

「向こうにコイン式望遠鏡があるぞ。」

「目の周りが黒くなるイタズラあるよね。」

「なんだよ、そのフリ。じゃ、おまえからな。」

「もう。」

 

「すごい!ほら、キレイな空と山が見えるよ!」

「おい、そんなに乗り出すなって。」

「えっ!? 風真くん!今なんか光ったよ!!」

「わかった、わかった。もう危ないから、おしまいだ。
 やばいな。おまえの顔。」

「え?」

「あんまり強く顔つけるから、目の周り赤くなってるぞ。」

「え、どうしよう……」

「どうもしなくていい。なんでも、一生懸命でおまえらしくて、いいよ。」

(褒めてもらっても……目の周り、気になるよ~!)

 

展示コーナー

「展示資料も大事だけどさ、柱や床の傷、一つ一つにも歴史がある。」

「お城自体は再建されたものだよね?」

「そうだな。50年前に大改修したらしい。おじいちゃんの話じゃ、その時にも貴重な文化財が見つかったらしい。」

「財宝?」

「そういうんじゃなくてさ。昔の人の落書きとか、大工道具の忘れ物とか。ほら、あの柱の『なんとか参上!』ってやつもさ、100年経てば貴重な資料かもな?俺たちもさ、何か書き残しておくか?」

「落書きはダメだよ。」

「違う。来館記念のノートに名前残しておこう。『参上!』って。」

「ふふっ、うん。」

 

「おまえの苗字のところ消してみろ。」

「え? どうして?」

「うんうん、これでよし。行くぞ。」

(これって、なんだか夫婦みたいに見えるかも?)

 

遊園地

ジェットコースター

ミニスカート追加コメント

「スカート、押さえとけ。じゃないと、絶対見える。ここなら、他のヤツには見られないか……」

「今日もよく声が出てたな?」

「声出すと怖さが薄れるかも。」

「いいんだけどさ……近くでおまえの悲鳴とか、聞いててあんまり気持ちよくない。」

「え?」

「だってさ『キャー』って、嫌がってるよな。」

「えっと……ちょっと怖いだけだよ。」

「ちょっとの度合いが重要。あんまり悲鳴上げるようなら、もう禁止な。」

「もう、風真くん。やれることなくなっちゃうよ?」

「……かもな?じゃあ、悲鳴は『わー』にすればいい。それなら、いい。」

(難しいよ、風真くん……)

 

観覧車

「周りにはたくさん人がいるのにさ、これに乗ると、完全に二人になるな。」

「何しててもわからないよね?」

「確かに頂上までいけば、前のゴンドラからも角度的には見えないな……」

「風真くん?」

「いや、頂上にいる時間て、何秒くらいかなって。」

「え、どうだろう?」

「いや……いやバカ、違うぞ。そういうんじゃないって。」

「そういうって?」

「でもシチュエーションとしては最高だよな?」

「もう、何言ってるの?」

「いや、わりぃわりぃ。でも、俺決めた。決めたからには、俺はやる。」

(風真くん、何するの?)

 

バンジージャンプ

「はぁ……もう、おまえはこれ好きってことでいいな?」

「風真くんのジャンプを見るのが好き。」

「はぁ、おまえがどういう気持ちで言ってるのか知らねぇけどさ、俺は逆だぜ。もう、おまえが震えて飛び降りるとこ、見てらんねぇけど。」

「そっか、ごめん……」

「まあ、いいよ。でも覚えとけよ。俺はおまえが怖がってたり、危ない目にあうのを見てるの、嫌いだ。」

「うん、ありがとう、風真くん。」

「わかったなら、よし。んで、まだやるかあれ?」

「ううん、もういい。」

「はい、よくできました。ほら、アイスかなんか買ってやる。いくぞ。」

(風真くん、いつも心配してくれてありがとう)

 

コーヒーカップ

「結構、激しいティータイムだったな?」

「おかわりいかがですか?」

「Thanks. じゃ、もう一杯いただきましょう。」

「ふふっ、うん。」

「イギリスの遊園地でもこういうのあってさ、コーヒーじゃなくて、ティーカップが主流だったけど。」

「紅茶か、素敵だね。」

「素敵か?俺は苦手だったな。」

「この乗り物嫌いだった?」

「いや、今は楽しい。あっちじゃさ、これに限らず、遊園地自体あんまりな。」

「風真くん?」

「そんな顔すんなって。こういうとこってさ、やたら男女二人で楽しむシーンに合わせて設計されてるだろ?で、俺は結局さ、こっち思い出しちゃって。父さんや母さんを困らせてた。ま、ガキだったからな。」

「そっか、小学一年生で外国に行ったんだもんね。」

「だから、その分今、取り戻してんだ。」

「ふふっ、うん。」

「ほら、おかわりだろ?」

(風真くん、イギリスでもわたしのこと思い出してくれてたんだ)

 

お化け屋敷

「こういう場所ってさ、霊を呼び寄せるらしいな?」

「風真くんの後ろに、落ち武者が……」

「落ち武者って、もうちょっと他になかったのかよ。」

「えっと……他?」

「そう。もっと俺が怖がりそうなもの。」

「風真くんの怖い物ってなに?」

「そんなの簡単に教えられませーん。」

「え、あるの?風真くんはなんでもできちゃうし、怖い物なしだと思ってた。」

「なんか、人間味がない的な言われ方だな?怖いとは違うけど、俺にだって弱点はある。」

「そうなんだ、教えて?」

「まあ、激ニブのおまえだから特別にヒントやる。」

「風真くん、どうしたの?」

「俺の目、よく見てみろ。何が見える?」

「風真くんの目……何も見えないけど。」

「ふわふわした感じのやつが、覗き込んでるだろ?」

「え?」

「そいつが、俺のウィークポイントだ。」

(どういうこと?)

 

ナイトパレード

「結構ダンスも本格的だよな。」

「飛び入り参加しちゃう?」

「よし、行くか。」

「え?」

「え? じゃない。おまえが参加すんなら、そりゃほっとけないだろ。
 ほらっ!来い。」

「わぁ、風真くん!」

「はっはは!おまえの奇妙なダンスにさ、魚人間がつられてたぞ。」

「もう。」

「でも、サンキューな。おまえの一言で、また忘れられない思い出ができた。」

(風真くん……わたしもすごくいい思い出ができたよ)

 

牧場

牧場

「ここはいつも気持ちいい風が吹いているな。」

風力発電の風車も回ってるね。」

「そうだな、良く回ってる。」

「大きなかざぐるまみたい。」

「へー、奇遇だな。俺もそう思ってたとこ。ここにずっといれば、夕日でオレンジに染まるかもしれないな。」

「ふふっ、あれだけ大きなかざぐるまだったら、沢山のお願いが叶いそうだね?」

「……ったく、欲張るなって。俺の願い事は1つで十分。」

「うん、わたしだって。」

「本当かよ?まあ、それならいいけどさ。」

(風真くんの願い事、いつか聞いてみたいな)

 

キャンプ場

「炭のオレンジ色の火って、落ち着くよな。」

「火の始末はしっかりとね。」

「おまえさ、もっとあんだろ?二人で火を見つめるとかさ……」

「見つめると?」

「ちょっと、ゆらゆら揺れる火を思い浮かべてみろよ。」

「え?う、うん……」

「ほーら、炎の向こうに何が見える?」

「えーと……風真くん?」

「そう。俺とおまえで二人で火にあたってる。どう思う?」

「うん、なんか、すごく安心できるかも?」

「よっし!」

「え?」

「焚き火効果って言うらしい。普段できないような深い話がしたくなるって。おまえはどうだ?」

(風真くん、催眠術師みたい……)

 

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