ときめき会話 臨海公園 御影小次郎
水族館
水族館内
「今日は最後にレポート提出。テーマは自由、何でもいいぞー。」
「すみません、筆記用具忘れました。」
「◯◯、ちょっと残れ。」
「は、はい。すみません。」
「みんなは自由に見学してこーい。」
「御影先生、ごめんなさい。」
「そんなに無駄に謝るな。もったいない。」
「え?」
「俺も氷室教頭に謝ってばかりだからさ?」
「ふふっ。」
「そうだ。笑っとけ。ごめんなさいの使い過ぎはダメだ。ここぞって時だけでOK。」
「はい。」
「んじゃ、来い。 ダイオウグソクムシのペンセット、買ってやる。」
(御影先生、優しいな。……でも忘れ物は気を付けよう)
ウォーターガーデン
「おいおい、はしゃぎすぎんなよっ。」
「御影先生の声が一番大きいです。」
「はっはっは、わるい、わるい。けどさ、おまえの声もけっこうでかいぞ。」
「ええっ!!」
男子生徒「なんか、オレたちよりそっちの二人の方がうるさくね?」
「なんか俺たちが一番うるさかったらしいぞ?」
(わぁ……恥ずかしいかも)
「わーったよ。俺たちも気を付けるから、おまえらも静かにな。」
(俺たちって、わたしと御影先生のことだよね?なんか不思議な感じ……)
深海コーナー
「じゃあ、ここで学んだこと、教えてくれ。」
「暗順応についてです。」
「困った時は、目を閉じて10数えれば慣れる。それが暗順応だな。」
「はい。他には何順応がありますか?」
「明順応はその逆だろ? 高所順応は……ないか。ありゃ楽なのにな?」
「じゃあ、今度高いところに行って一緒に10数えてみましょう?」
「そうだな! ……って、自然すぎんだろ。」
「え?」
「順応の話だ。慣れって怖いよ。」
(……御影先生?)
海:海水浴
「高校生の夏休みって言ったら仲間と海だろ?」
「二人の方がいいですよ♡」
「いいか悪いかの話じゃないの。楽しみ方が違うんだよ。いいか?カップルで海なんて、この先いつでもできる。おまえがおばあちゃんになってもな。」
「ええ?」
「でも、クラスメイトと一緒の海なんて、今、この三年間しかできないんだぞ?10年後に後悔したって遅いんだ。先生が言うんだから、間違いねぇよ。」
「でも……御影先生と一緒に海に来られるのも今だけですよ?」
「…………
いやいや、いつだって来られるだろ?来ようと思えばさ。」
「そう思ってもらえたらいいですけど……」
「待てって。どうした、熱中症か?ほら、休憩所行こう。」
(御影先生と二人でいつか……来れたらいいな)
花火大会
浴衣コメント
「うん、やっぱり浴衣だ。よく似合ってる。」
「あ、ありがとうございます……」
「恥じらう姿もいいじゃん?」
(恥ずかしいけど、浴衣着てきてよかった……!)
ミニ丈浴衣追加コメント
「そんな短い浴衣もあんだなぁ……
……ああ、悪い、悪い。見すぎた!」
「今年の夏も終わっちまうか……」
「夏は来年も来ますよ。」
「いや、自分でもガラじゃねぇなって思うんだけどさ……
……おまえのおかげで、スパイラル断ち切れっかも。」
「スパイラル?」
「もしかしたら、来年は違う夏が来るかもしれない。」
「え……」
「……って、なに言ってんだ俺は…… 俺もさ、永遠の高校生って、バカみてぇに繰り返してたら、おまえに呆れられちゃいそうだろ。」
「御影先生……?」
「はぁダメだ。花火の雰囲気で話すことじゃねぇな。まとまってから、ちゃんとな。」
(御影先生……何かあったのかな……?)