ときめき会話 臨海公園 本多行

 

ショッピングモール

スカイラウンジ

「ほら見て、あそこ強化ガラスの床っ!」

「下から見えちゃうよ?」

「見えるって…… ……そっか、女子はそういう心配もあるのか。でも、この下は立ち入り禁止だよ。それに双眼鏡でもないと無理じゃない?」

「ふふっ、冗談だよ?」

「だー!やられたー。はっはは、君って最高! それじゃ今度はオレがドッキリ仕掛ける番。覚悟しといてよー?」

「ええっ!本多くんのドッキリって、なんかすごそう。」

「うんうん、すごい。まずは、カブトムシの幼虫をたくさん集めて……」

(えぇと、なんか変なこと企んでる?)

 

臨海公園

煉瓦道

「あれ? 今すれ違った人、どこかで会ったような……」

「お友だちかな?」

「違うと思う。オレ、そんなに友だちいないし。」

「え? そんなイメージないけど。」

「そかな?でもたしかに、高校入ってからみんなと話すこと増えたかも。中学の時はあまり話さなかったから。」

「そうなんだ?」

「うん、当時は本ばかり読んでたからね。って、それは今も変わらないか。じゃあ、何が変わったんだ……? あ。」

「ん?」

「君だよ、絶対。だって、中学の時には無くて、今のオレにはあるもの――それは君。オレ自身は何も変わってないけど、君がいるといないとでは、こんなにも違うんだな。」

「わたし、何もしてないよ?」

「何もしないでこれなら、何かしたらすごそうだ。
 ちょっと、やってみて?」

「えっ? 何を?」

「……っと、なんだろ?」

(本多くん、何かしてほしいことあるのかな?)

 

波止場

「みんな、思い思いに楽しんでるね。読書をしたり、ランニングしたり。」

「ランニングしよう!」

「君がやってみたいならやろうか?」

「えっ、今から?」

「やりたいって思ったときやらないと。それじゃ、さっそく。」

「はぁー…… うん、確かに気持ちいいね。」

「う、うん。ちょっと疲れたけど。楽しかったかな。」

「良かったね。でもさ、新しい発見。走ってる間って、頭の中がクリアになる。ただただ足を前に出す行為って、余計なこと考える余裕ないし。」

「ふふっ、うん。本多くんはいつも色々考えてるから、走るのいいかもね?」

「そうなんだよ! こうやって君を見るでしょ?すると、君の髪とか目とか耳とか鼻とか、色々気になりだしてさー。」

「ええっ!? そんなにジロジロ見ないでよ!」

「どうして?オレ、君の全部に興味あるから仕方ないじゃん?」

(それでもやっぱり恥ずかしいよ……!)

 

遊覧船

「おおっ。遊覧船の名前募集だって。」

「本多くん丸ってどう?」

「それ、絶対採用されないやつ。」

「そうかも。じゃあ、本多くんなら?」

「個人的なものじゃなくて……そうだなー、はばたき丸? だー、ダメだー。」

「ふふっ、難しいね。」

「自由に決められるなら、オレも君の名前にしちゃうけどさ。」

「ええっ?」

「そうだっ!二人だけの秘密の呼称ってことで、ローズクイーン号ってどう?」

「え? はば学文化祭のローズクイーンのこと?」

「そそっ!オレの中のローズクイーンはいつも君だからさ。
 なんてっ?」

(本多くん……うれしいけど、なんか恥ずかしいな)

 

水族館

水族館内

「きたきた、水族館!君も気に入ってるみたいだね?」

「静かで落ち着いた雰囲気がいいよね。」

「そっか……」

「どうかしたの?」

「ここに来ると、確認したいことが色々あるし、定期的に観察してる個体がいくつもあるから……きっと落ち着いた雰囲気じゃなかったよね?」

「ううん。ここで本多くんの話聞くの、楽しみだったよ。」

「そなの?でも今日は落ち着いて話すから、それでいい?」

「いつもみたいに、楽しく話してくれればうれしいな。」

「もちろん楽しいよ。君が聞いてくれるんだから。」

「ふふっ、うん。」

「あれ?ていうか、オレ……君に楽しく聞いてもらうために、学んでるところ、あるかも?」

「えっ!?」

「不思議なんだ。最近さ、何かを学んだとき、君にどうやって伝えようかって、考えてる。でも結局、会った瞬間にそんなこと忘れて、思いのままに話してばっかなんだけどさ。」

(本多くんにそんな風に思ってもらえてるなんて……うれしいな)

 

ウォーターガーデン

「空を泳ぐ水生生物って発想、面白いよね。」

「深海魚が空を泳いでたら、すごいかも。」

「そんな、むちゃくちゃな……」

「ごめんなさい、おかしなこと言って。」

「ううん、違うんだ。謝るのはオレ。深海の生物を地上の水槽でみることだって、十分むちゃくちゃなことでしょ?」

「うん。そうだね。」

「そそ!だから、もう一歩のアイディアや研究で、空を泳ぐ深海魚の展示だって可能かも?すごくワクワクしてきた!!」

「ふふっ、本多くん、すごく楽しそう。」

「うんうん、楽しいよ。オレのつまんない固定観念を壊してくれる、君ってサイコー!!」

「うれしいけど……そんな大げさだよ。」

「だって、君が一緒じゃなかったら、オレの深海魚は、このまま永遠に空を飛べなかったんだから。」

(本多くんの刺激になれたのなら、とてもうれしいな)

 

深海コーナー

「ホント、何度見ても深海コーナーは新しい発見が尽きないよ!」

「暗くてよく見えないのに?」

「あれ?オレ勘違いしてた?君が楽しんでるって思ってた。」

「あ、ごめんなさい。おかしなこと言って……」

「待って、オレにいい考えあるから!」

「うん。」

「見えないんだったら、いっそ目を閉じてみなよ!」

「えっ?」

「ほらほら、早く。目ぇつぶって!」

「う、うん。」

「…… すごいぞ!深海コーナー!? また新しい発見だ!!」

(本多くん、何を見つけたんだろう?)

 

プラネタリウム

「オレさ、プラネタリウムの解説員、やってみたかったんだよね~。」

「本多くんのお話、脱線しそうだね。」

「え? オレの話って、もしかして邪魔になる?」

「ううん、そんなことない。すごく楽しいよ。」

「面白いなら良いんだけどさ……確かに、台本通りには読まないかもな。星の話だけじゃなくて、映写機の話とかしちゃうね、きっと。」

「ふふっ、わたしはそれでも楽しいけどな。」

「本当?君がいいなら、いっか。そしたら今度、二人だけのプラネタリウムをやろう。」

「うん、楽しみにしてるね。」

 

海水浴

「海水浴っていうか、砂浜で日光浴してる人が多いね?」

「わたしたちも日光浴する?」

「二人で砂浜で寝転ぶってこと?」

「えぇと、まあ、そうかな。」

「それなら、もっといい場所ありそうだけど。芝生広場とか。」

「でも水着で砂浜にいると楽しいよ?」

「水着ってとこが重要なの?」

「えぇと、そうかな。」

「……うんうん。 ふーん、そういうことか。」

「なんか恥ずかしいよ。どうしたの?」

「よっくわかった!水着の君はかわいくて、普段より二割増しで華やかってこと!」

(えぇと……二割増し?)

 

青の洞窟

「今は干潮だから、洞窟の奥まで行けそうだけど。」

「うん、行ってみよう!」

「あー、ごめんごめん!調子に乗った。勝手な判断は危険だからダメっ。」

「そっか、本多くんが一緒だから、わたしも安心してた。」

「なんか嬉しいけど……君を危険な目に遭わせないように、もっと注意しなきゃな。でもなー、オレ興奮すると猪突猛進的なとこあるからなー。」

「ふふっ。そこが本多くんのすごいところでもあるよね。」

「なにそれ、困らせないでよー。君にスゴイって思って欲しいけど、危ない目には遭わせたくないし。あーダメだ。やっぱり、好奇心は身を亡ぼす!オレだけならまだしも、君に何かあったらヤだからね。肝に銘じておくよ。」

(本多くん、ありがとう)

 

海辺の散歩

「危険を承知で、波打ち際ギリギリを歩きたくなっちゃうんだよな~。」

「もう、濡れたら風邪ひいちゃうよ♡」

「あれ? 今なんか、ドキッとしたけど、なんでだろ?」

「どうかした?危ないから、こっちにおいで!」

「さっきのもう一回言ってみて。」

「え? 危ないから、こっちにおいで?」

「あれ?何でもないな…… さっきは君の声聞いただけで、ドキッとしてさ。オレ、おかしいのかな?」

「わかったから、もう行こう。濡れたら風邪ひいちゃうよ♡」

「これだ……君、催眠術か何か使ってる?」

(本多くん、今日はちょっとヘンだよ?)

 

花火大会

浴衣コメント

「…………」

「えぇと、本多くん? 浴衣、どこか変だったかな?」

「まさか!すっごくキレイだから、つい見とれちゃった。ほら、オレの鼓動も速くなってる!」

(本多くん、喜んでくれたみたい。着てきてよかった!)

 

ミニ丈浴衣追加コメント

「その足元には虫だけじゃなくて、視線も集まりそうだなー。なるべくオレの近くにいてね?」

「超穴場。今年は絶好の場所だった!」

「蚊がたくさんいそうだね?」

「でも、大丈夫っ。目をつぶってみて?」

「う、うん。」

 

「わっ! あれ……何か、良い匂いかも。」

「……うん、良い匂いだよね。これ、レモングラス。」

レモングラス?」

「そそ。虫よけ効果のあるハーブだよ。特別に調合した、オレのオリジナルカクテル!」

「すごい! 良い匂いで、蚊も寄って来ないなんて。本多くん、ありがとう。」

「うんうん。 あとさ、なんか感じない?」

「なんかって?」

「……あっちの効果なしか。」

「あっち?」

レモングラスの成分は、惚れ薬としての効果もあるとかないとか?」

「ええっ!」

「君がオレのこと好きにならないかなって。」

「そんなことしなくても……」

「じゃ、もっとオレの顔見といてよ。効果が長続きするようにさ!これからもずーっと。」

(本多くん、顔が近いよ……)

 

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